2005年8月10日(水)「しんぶん赤旗」
平和コール響く
核兵器ない公正な世界へ
長崎で世界大会閉会総会
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長崎市への原爆投下から六十年を迎えた九日、同市は追悼と「長崎を最後の被爆地に」との新たな決意に包まれました。原爆投下の午前十一時二分、サイレンや鐘が鳴り響き、通行人が立ち止まって、黙とうをささげていました。市主催の平和式典で、伊藤一長市長は、核抑止力に固執するアメリカに「強い憤りを覚えます」と批判しました。
市民会館体育館では、原水爆禁止二〇〇五年世界大会の閉会総会「被爆六十年ナガサキデー」が行われ、会場いっぱいの五千人が集まりました。
二日から八日間にわたる世界大会では、広島に九千人、長崎で五千人と例年を上回る参加者が二十九カ国・二百六十四人の海外代表とともに、アメリカなど核保有国の妨害をはねのけ、核兵器のない平和で公正な社会をつくろうと、討論・交流しました。
閉会総会では、核兵器全面禁止・廃絶条約を主題とする会議の開催などを求める「国連および各国政府への手紙」を満場の拍手で採択しました。
閉会あいさつした全労連の熊谷金道議長は、日本の役割は決定的とのべ、憲法改悪などが狙われるなか「総選挙は政治の流れを変える大きなチャンス」と訴えました。
原爆症認定を求める集団訴訟をたたかう原告の小幡悦子さんは「結婚も幸せな家庭も原爆が奪った」と語りました。日本被団協の山口仙二代表委員があいさつ。海外代表が発言し、百八十万人が加入しているアメリカの労組、SEIUのケイ・アンダーソンさんは、同労組がイラク戦争反対など平和運動をすすめてきたことを紹介し、「被爆者の悲しみを受けとめたい」とアメリカの核政策を批判しました。アラブ連盟のアブデル・モネム事務総長特別顧問が訴えました。
JMIU(全日本金属情報機器労組)や新日本婦人の会の代表がのぼり旗や横断幕を手に次々と登壇。海外の青年たちが登壇すると、「平和」のコールと手拍子が会場いっぱいに響きました。