2005年8月7日(日)「しんぶん赤旗」

広島・長崎から謙虚に学べ

IAEA事務局長が声明


 六十年前、広島、長崎への原爆投下で引き起こされた惨状を忘れてはならず、人類と地球の生存のためには核兵器をなくす必要がある―。国際原子力機関(IAEA)のエルバラダイ事務局長は五日、ウィーンで開かれた被爆六十年の行事で声明を発表し、核兵器廃絶の努力を誓う新たな機会にしようと訴えました。

 エルバラダイ事務局長は、核兵器がいかに破滅的なものであるかを時の経過とともに忘れるべきではないと指摘。「そうした兵器の新たな使用や拡散を防ぎ、核兵器のない世界に至る核軍縮を進めることが、なぜ人類と地球の生存にとって最も重要なのかを、広島と長崎への原爆投下は絶えず思い起こさせるものであった」と語りました。

 そのうえで同氏は、「広島、長崎の破壊から引き続き謙虚に学ぶべきだ」と強調し、「核兵器を削減し廃絶するために集団的に活動する努力を惜しまないことを、今日、世界の諸国民に改めて約束しようではないか」と呼びかけました。

▼国際原子力機関(IAEA) 核技術の平和利用のため、必要な科学・技術協力を進める一方、軍事目的への転用を防止するため、平和目的に限定されているかどうかを監視・検証する国連関連機関。一九五七年に設立。本部はウィーン。加盟国代表による総会が年一回開かれるほか、最高執行機関として理事会があり、三十五カ国代表で構成。二〇〇三年三月、対イラク軍事攻撃を急ぐ米英に対し、エルバラダイ事務局長は、イラクの核兵器開発再開の証拠はなく、査察を継続したいと述べ、戦争強行に反対しました。


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