2005年8月5日(金)「しんぶん赤旗」

被爆フォーラム開幕

「広島・長崎60周年」考える

メキシコ


 【メキシコ市=松島良尚】メキシコ市で二日、「広島・長崎被爆六十周年―二十一世紀における核兵器の危険性についての考察」と題するフォーラムが始まりました。三、五日を含め三日間の予定。約百人が参加しています。

 フォーラムを主催する上院外交委員会のサウリ委員長は本紙記者に、「世界はテロや安全についての新しいテーマに集中する一方、完全軍縮、とくに核軍縮の議論を後景に押しやってきました。このフォーラムは、広島と長崎の惨劇を思い起こし、社会の関心を再び呼び起こす機会です」と強調し、メキシコ駐日大使も参加する原水爆禁止二〇〇五年世界大会の成功を期待すると述べました。

 初日のテーマは、「トラテロルコ条約とメキシコ外交、核軍縮の促進」。被爆した日本人女性についてのビデオ上映後、ラテンアメリカ・カリブ海核兵器禁止機構(OPANAL)のバルガス事務局長らが基調報告。核軍縮の完全達成のためには、なによりも核兵器保有国が軍縮義務を履行する必要があると強調しました。

 二日目は、「二十一世紀における核兵器と地政学」がテーマ。メキシコ科学技術自治大学のペジセル教授が「冷戦終結」後、核軍縮に進むと期待されたのに米国の拒否で逆方向に向かったと指摘。小型核兵器など米国がいっそう開発を進め、現在はそれを実際に使用する計画作りの段階に入っていると非難しました。

 イランや北朝鮮の核問題、テロと核兵器の問題なども報告されました。

 五日のテーマは、「グローバルな開発の見通しにおける核エネルギーの平和利用」です。


 ▼トラテロルコ条約 一九六七年に締結された初の非核兵器地帯条約。(1)核兵器の実験・使用・生産・取得(2)核兵器の受領・貯蔵・配備、および形態のいかんを問わず所有することを禁止しています。核エネルギーの平和利用は制限されていません。現在では中南米地域内すべての三十三カ国が締約しています。


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