2005年8月5日(金)「しんぶん赤旗」

日本の戦後60年国会決議

侵略戦争合理化に批判

アジア各国が報道


 自民、民主、公明、社民の四党が二日の衆院本会議で日本の過去の侵略戦争を合理化する戦後六十年決議を採択したことに対し、中国や韓国、東南アジア各国から批判の報道が相次いでいます。

 中国の新華社通信は二日、「同決議は歴史の認識にふれた部分で、『植民地支配』『侵略行為』の文言がなく、歴史に対する反省の姿勢が一九九五年に国会で採択された『戦後五十年決議』より一歩後退している」と伝えました。

 新華社はこのなかで、野党が「植民地支配」と「侵略行為」を明確に書き入れるよう要求したが、自民党が未来志向を理由に拒否したと報道。日本共産党が侵略の正当化につながるとして反対した戦後五十年決議に次いで今回も反対したと伝えました。

 韓国のテレビ局SBSも同日、「九五年の国会決議に含まれていた『植民地支配』や『侵略的行為』などの表現が削除された」と指摘、「日本政界の過去の歴史に対する反省の認識が、ますます後退している」と批判しました。

 韓国の中央日報、東亜日報、ハンギョレなど新聞各紙も決議から「侵略的行為」「植民地支配」の言葉が削られたことを「歴史認識の後退」だと批判しました。また韓国日報三日付は「日本の主流政治人の本心」と題するコラムを掲載。一九九五年の村山談話や九八年の日韓パートナーシップ宣言をあげて「構築した両国間の信頼の基盤を傷つけかねない」と指摘しました。

 シンガポールの聨合早報三日付も「『第二次世界大戦を反省する』といいながら、『侵略』を削除」していると述べています。またマレーシアの星州日報同日付は「『侵略』にふれていない」と決議を批判するとともに、「決議案は、自民、公明、民主の三党が共同提案し、社民党が賛成したが、日本共産党は反対した」と伝えています。


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