2005年8月2日(火)「しんぶん赤旗」

世界に例のない高額供託金

日本は衆院一人 小選挙区300万 比例代表600万円

米仏独伊は無料


 衆院の早期解散・総選挙の可能性をはらんで政局が緊迫するなか、日本共産党は総選挙のための供託金募金への協力を訴えています。供託金とはどんなものでしょうか――。(小林俊哉)

■自由な立候補を抑制

 供託金とは、公職選挙法にもとづいて選挙に立候補する際に法務局にあずけるお金のことです。金額は各種選挙ごとに決まっており、衆院小選挙区で三百万円、比例代表で一人当たり六百万円にのぼります。一九九三年の公選法改悪で、それまでの一・五倍に引き上げられました。

 選挙の結果、規定の得票率(衆院小選挙区では10%)に達しなかった場合には全額没収となります。

 日本共産党は「世界的に例のない高額の供託金は、自由な立候補を抑制する反民主主義的なものです」と批判しています。

表

 日本の供託金の金額は先進国と比較しても異常な突出ぶりです。国立国会図書館の調べでは、選挙供託金制度を設けているイギリスで十万円、カナダでも八万円にすぎません。アメリカ、フランス、ドイツ、イタリアでは供託金制度がありません。(表)

 高額の供託金制度について、政府は「当選を度外視して多数の候補者が出ることを防止するためだ」(自治相答弁、一九九四年二月二十一日、衆院予算委員会)と説明しています。しかし、お金がないと立候補すらできないというのでは、金銭面から国民の被選挙権を制限し、政党の政治活動の自由を圧迫することにつながります。議会制民主主義を守る立場からも、早急な見直しが求められます。

■企業献金も政党助成金も受け取らない共産党

 日本共産党は、年間三百十七億円もの国民の税金を分け取りする政党助成金も、カネの力で政治をゆがめる企業・団体献金も受け取っていません。党費、「しんぶん赤旗」はじめ党の発行物、募金に依拠し、国民一人ひとりの自覚的な支持と協力のもとで党財政を確立しています。収入の大半を政党助成金と企業・団体献金に頼る自民、民主両党とは大違いです。

 自民、民主両党は政党財政を政党助成金に頼る一方、日本経団連からの献金を求め、憲法改悪や消費税増税を競い合っています。このため、有権者一人ひとりに献金を求める姿勢に乏しく、党本部の収入に占める個人献金の比率は、自民党で1%、民主党にいたっては0.1%を割っているのです。

 個人献金を集める努力をおこたり、政党助成金と企業・団体献金に頼ることは、国民の声に目が向かない政治をすすめることにならざるをえません。高額の供託金制度は、税金と企業・団体献金依存の大政党以外の政党を選挙から締め出すことにつながります。

 小泉純一郎首相が解散・総選挙に打って出れば、小泉政治そのものへの審判と自民党政治の根本的な転換を問う衆院選となります。日本共産党は、供託金募金の取り組みで「みなさんのご協力をえて、こうした不当な抑制を打破し、必要な供託金を早急に準備してたたかう決意です」と訴えています。


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