2005年7月31日(日)「しんぶん赤旗」

“9条は私の生き方”

有明講演会 憲法守る思い集う

力強い運動 ウキウキ


 「新聞の意見広告で講演会を知り『これだ!』と、友だちに声をかけました」(六十八歳・女性)―。三十日、東京・有明コロシアムで開かれた「九条の会」の有明講演会は、全国各地からつめかけた九千五百人の熱い思いで包まれました。


 〇…群馬県から二十五人でバスでやってきたのは今年六月に発足したばかりの「碓氷安中九条の会」の人たち。百二十人が参加した結成集会には、安中市長も祝電を寄せました。キリスト教の伝統が根付く同地域では複数の牧師が呼びかけ人に。戦前、朝鮮出兵に反対して弾圧された柏木義円牧師の反戦・非戦の教えを受け継ぐ安中教会(安中市)信徒の久保庭美津さん(80)はいいます。

 「『もうろくを組織しよう』という鶴見俊輔さんの訴えに、年をとってもふさわしい役割があると大変勇気をいただきました。戦争では何も残りません。思想・信条を超えて九条を守る運動をひろげたい」

■1933人の署名

 〇…車いすを操って、友人の金子ミサ子さん(65)と参加したのは東京・大田区の高橋八重子さん(55)。高橋さんが働く福祉工場の元同僚、末吉美智子さん(75)と金子さんと三人で、昨年八月「『九条の会』アピールに賛同する一人一人の会」を結成しました。これまでに千九百三十三人から賛同署名を集めました。

 「障害者福祉まで改悪する動きにここまで来たかと危機感を持っていました。でも全国に三千以上の九条の会が広がっていることを知って、力強く思いました。九条のないところに(生存権の)二五条はあり得ない」

 ○…「憲法改悪に反対する人がこんなにいるのに、なぜ憲法を変えるの?!」というのは全国福祉保育労働組合東海地方本部の石島佳代さん(23)と、同僚の女性(22)。愛知県労働組合総連合の参加者二十二人と朝七時半に愛知を出発、バスでかけつけました。

 保育園で二歳児クラスを受け持っている石島さん。小森陽一氏の「人間は言葉をあやつる生き物」だから、戦争も回避できるはずだ、という話を聞いて、「(保育園で)口より手が先に出る(子どもたちに)、言葉で貸してねって言えばよかったねと話しています。平和の問題も同じことがいえる」と思いました。

 「九条を守りたい人がこんなにいるのだから、職場でも九条の会が作れるかな」と目を輝かせました。

 ○…数字の「9」をビーズで飾ったブローチを胸に付け参加したのは埼玉県朝霞市の肥後実枝子さん(86)。「作るのに三時間かかりました。外に出かけるときにいつも付けています。孫を戦争で殺されたり、逆に殺したりしたくないのよ。ブッシュも小泉も嫌い。戦争反対」と話していました。

■恋人たちに会う思い

 〇…黒地に白抜きの「九条」の文字の上に赤いキスマーク…。「九条は生き方そのもの。ウキウキと恋人たちに会う思いでやってきました」というのは都内の稲木佐和子さん。手づくりTシャツに身を包み最前列で耳を傾けました。「第一級の知識人がそれぞれの切り口で九条と現代社会と政治のあり方を語ったことに圧倒されました」と興奮ぎみ。昨年七月の最初の講演会にも参加しました。

 「一年で運動はここまで広がった。次は東京ドームを会場にして、みなさんと会いたい」


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