2005年7月28日(木)「しんぶん赤旗」

侵略賛美の教科書反対

各地で住民動く

大阪・京都・名古屋・仙台…次つぎ不採択


 来年度から使用する中学校の教科書に、侵略戦争を正当化する「新しい歴史教科書をつくる会」の歴史・公民教科書を採択するかどうかをめぐるたたかいが、七月末から八月にかけてヤマ場を迎えています。

 これまで全国五百八十ある採択区の二割が採択を終えました。現在まで「つくる会」教科書を採択したのは栃木県大田原市だけでした。大阪、京都、名古屋、仙台、宮崎、山形各市をはじめ、多くの市町村で不採択となり、「つくる会」のねらいどおりにはなっていません。

 しかし、東京都では二十八日、東京都教育委員会が都立中校一貫校(三校)、同盲・ろう・養護学校で「つくる会」教科書を採択し、全国の突破口にしようとする動きがあります。

 こうしたなか、全国で「“日本の戦争が正しかった”と教える教科書を子どもの手に渡してはならない」という反対運動が広がっています。


■茨城・大洗など地区協で不採用

 茨城県水戸市や大洗町など十四市町村でつくる「第三教科書採択地区協議会」は二十六日の臨時会で、侵略戦争を正当化する「新しい歴史教科書をつくる会」による扶桑社版教科書の不採用を確認しました。

 臨時会は、同地区協議会の採択を受けて、各市町村教委の採択結果を報告するために開かれました。扶桑社教科書の採択を主張してきた大洗町教委側は扶桑社の採択を改めて求めましたが、他市町村から「同一教科書の使用を決めている教科書無償措置法上、認められない」との指摘があり、最終的には「採択結果を尊重し、措置法の枠内で判断したい」と方針転換しました。

■松山で県民集会

 愛媛県松山市で二十七日、「新しい歴史教科書をつくる会」(扶桑社版)の歴史・公民教科書の採択に反対する県民集会(同実行委員会主催)が開かれ、二百五十人が参加しました。参加者は「つくる会」教科書の採択に反対する集会決議を採択し、市内をデモ行進しました。

 開会あいさつで実行委員会代表の大内裕和松山大学助教授は、憲法や教育基本法の改悪の問題に触れながら「戦争を賛美する『つくる会』教科書は、戦争をする国を担う国民を育成しようとしている」と指摘しました。


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