2005年7月27日(水)「しんぶん赤旗」

「朝鮮半島非核化を」

米朝ともに強調

6カ国協議開幕


 【北京=菊池敏也】朝鮮半島の核問題をめぐる第四回六カ国協議が二十六日午前、北京の釣魚台迎賓館で開幕し、各国首席代表が冒頭発言をしました。各国は朝鮮半島の非核化をめざすことを改めて強調しました。協議は昨年六月の第三回協議から一年一カ月ぶり。二十七日午前に全体会合を開き各国が基調演説を行い、より具体的な立場を表明する見通しです。

 開会式後、米朝は二十五日に続き二国間接触を行いました。米首席代表のヒル国務次官補(東アジア・太平洋担当)は記者団に対し、北朝鮮が昨年六月の第三回協議で米国が出した提案に回答したことを明らかにしました。回答の内容には触れませんでした。北朝鮮はこれまで、米提案は「北朝鮮を武装解除するもの」だと拒否しています。

 冒頭発言で北朝鮮の金桂冠外務次官は「全当事国が朝鮮半島で核戦争が発生する危険性を全面的に除去することが必要であり、各国が非核化実現への断固たる政治的意思と戦略的決断を持つことが必要」だと指摘、「われわれは準備がすでに整っている」と表明しました。

 米国のヒル国務次官補は「北朝鮮が核開発計画を完全かつ永遠に検証可能な形で廃棄する決断を行えば、その他の国は北朝鮮の安全保障上の懸念とエネルギーのニーズに対処する」と表明。「北朝鮮は主権国家であり、米国には北朝鮮を攻撃、侵略する意図は全くない」と改めて確認しました。

 佐々江賢一郎外務省アジア大洋州局長は、「日朝平壌宣言に基づき国交正常化を図るという方針に一切変わりはないが、核、ミサイル、拉致といった諸懸案を包括的に解決しなければならない」と指摘しました。

 韓国の宋旻淳外交通商次官補は、核放棄を条件に北朝鮮に電力二百万キロワットを供給するとの韓国案について「問題解決の中心となりうる」と主張。六カ国協議は核問題に集中すべきで「焦点を分散させる行為は、決して理想的ではない」と強調しました。

 歓迎あいさつをした中国の李肇星外相は、各国代表に「柔軟かつ実務的な態度」を呼び掛けました。中国代表団報道官の秦剛氏(外務省報道官)は日本の拉致問題提起について「日朝双方のルートを通じて適切に処理してほしい」と述べました。


もどる
日本共産党ホーム「しんぶん赤旗」ご利用にあたって
(c)日本共産党中央委員会
151-8586 東京都渋谷区千駄ヶ谷4-26-7 TEL 03-3403-6111  FAX 03-5474-8358 Mail info@jcp.or.jp