2005年7月23日(土)「しんぶん赤旗」

「つくる会」教科書

「採択阻止、もう一押し」

神奈川・小田原市 市民ら運動


 侵略戦争を正当化する「新しい歴史教科書をつくる会」の中学校歴史・公民教科書(扶桑社)の採択を許さない運動が各地で広がっています。「つくる会」が採択を狙う神奈川県小田原市でも、採択反対の市民運動が起きています。


 「もう一押し、絶対に阻止します」と、今年四月に結成した市民団体「子どものしあわせを考える小田原の会」代表の水谷由美子さん(57)。二十一日の教育委員会で絞られた採択候補のなかに、扶桑社の名はありませんでしたが、二十六日に迫った採択にむけ気を引き締めます。

 「市民の運動で流れを押し戻しています。でも油断はできない」。小田原市では「かつてなかった」というほどの超党派の運動が、教科書問題をめぐって沸き起こっています。きっかけは、水面下で進んでいた「つくる会」の動きが表に出たことでした。

 県内の市民団体「教科書採択制度の民主化を求める神奈川の会」は二月、県内三十七自治体に情報公開を要求。県と九市十一町で「つくる会」派の団体が、教育委員会へ請願や要望書を提出し、二、三度と申し入れしている自治体もあることが分かりました。

 さらに小田原市は独立採択地区へと変更されました。教育委員も相次いで変わるなど、「つくる会」教科書を採択させるための下地作りが進んでいました。四月には自民党の山谷えり子参院議員の講演会を日本会議とともに市教委が後援。講演会では「つくる会」教科書を採択するよう繰り返し強調しました。

 「このままでは危ない」―。「小田原の会」は、学習会を重ね、六月十八日には歴史教育者協議会の石山久男委員長を招いた講演会を開催。中学生の子をもつ近所の人などに広く声をかけ、約百二十人が集まりました。

 教育委員へ手紙を出そうと作ったはがきは約八百枚。市民団体や労働組合へも協力を要請。市教委の「公開」を求めました。市教委は「非公開」から「公開」へと変更に。山谷氏の講演会について、市教委は内容を正しく知らせなかったとして「主催者に抗議した」と回答しました。

 同会のメンバーで元教員、戦争体験者でもある中村静香さん(63)はいいます。「過ちを繰り返さないためにおとなができること、それは事実をありのままに教えることです。扶桑社の教科書は絶対に使わせません」


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