被爆者1600人から証言

「わたしの訴え」アンケート報告

（写真）「訴え」の中間報告をする田中事務局長（左から３人目）ら＝22日、東京都内

　日本被団協の田中熙巳事務局長らは二十二日、東京都内で記者会見し、被爆六十年にあたり取り組んでいる「わたしの訴え」の中間報告や、海外に被爆者が遊説に回ることなどを明らかにしました。

　「被爆六十年『わたしの訴え』」と題した被爆者へのアンケートは、二十九日から三十一日まで開く「ノーモアヒロシマ・ナガサキ国際市民会議」で論議するために実施したもの。約二万人の被爆者に筆記アンケートをしたものです。∇被爆して忘れられないこと∇六十年をどう生きてきたか∇いまいちばん言いたいこと―など六項目を問い、まとめたものです。高齢等で自分で書けないという被爆者には、ボランティアらが聞きとりをしました。

　五月十五日の締め切り時点で、約千六百人から回答を得ました。

　「被爆した事を本当にかくして生きて来ました。いつ病気になるか、いつまで生きているだろうと考えて、うつ状態になった事もありました。あの日の出来事は死ぬまで忘れることはありません、ひと時も」など、被爆者の生々しい証言が紹介されています。

　遊説は、今月末から八月中旬にかけて、ベルギー、アメリカ、イタリアに代表八人を派遣。被爆の実相を語ります。また十月十八日には大集会を開くことや、被爆六十年にあたって「ノーモアヒロシマ・ナガサキ」を人類の思想にと呼びかけた「ふたたび世界への挨拶（あいさつ）」を発表しました。