2005年7月22日(金)「しんぶん赤旗」
人民元切り上げ
1ドル=8.11元
中国人民銀行実施 管理された変動相場へ
【北京=菊池敏也】中国人民銀行(中央銀行)は二十一日、為替制度を通貨バスケット制を参考に調節する「管理された変動為替相場制」に即日、移行すると発表、即日実施されました。
これによって従来一米ドル=八・二八元前後に固定されていたドル・ペッグ制度が終わり、同日午後七時から、人民元は一ドル=八・一一元に、2%余り事実上切り上げられました。中国経済の急成長にともなって輸出が拡大、中国側に大きな貿易黒字がでる一方、米国などの対中貿易赤字が拡大。これにともなって米議会や産業界では人民元のレートが過小評価されて中国製品が安く輸入されているからだとして、中国に為替制度の改革と人民元の切り上げをせまる圧力が強まっていました。
これにたいし中国政府は「外圧には屈しない。条件が整えば自主的に為替制度を改革する」(温家宝首相)との立場をとってきました。
■解説 米国などから圧力 中国は「主権の問題」
今年第1四半期の米国の貿易赤字は、千七百十七億五千七百万ドル。対中国赤字がほぼ四分の一を占めます。
米財務省は五月十七日、議会への報告書で、為替「改革」を行わなければ「為替操作国」と認定すると警告し、中国に切り上げを強く迫まっていました。
中国は人民元の対ドル相場を維持するため、ドル買い介入を続け、そのため六月末の外貨準備高は前年同期比51・1%増の七千百十億ドルにのぼりました。また、人民元切り上げを狙った短期資金が中国市場に流入し、不動産投機を加熱するなど、中国にとっても対策が必要になっていました。
中国は、米国などの圧力には「主権の問題」と反発しながらも、国有銀行の立て直しなど国内環境の整備状況をみて、人民元切り上げの時期を判断する意向を示していました。そのため、切り上げは時期の問題とみられていました。
しかし、米連邦準備制度理事会(FRB)のグリーンスパン議長や、アジア開発銀行(ADB)などは、人民元を切り上げても米国の貿易赤字はほとんど減少しない、と予測しています。(北川俊文)

