2005年7月16日(土)「しんぶん赤旗」

欧州の米戦術核 撤去を

上院につぎ ベルギー下院も決議


 【パリ=浅田信幸】北大西洋条約機構(NATO)加盟国ベルギーの下院本会議は十三日、欧州に配備された米国の戦術核兵器の段階的撤去や欧州非核地帯の創設を提唱する決議を、賛成九十一、反対〇、棄権三十七で採択しました。上院も四月に同趣旨の決議を採択しています。両院そろっての決議は同国政府の今後の姿勢に影響を及ぼしそうです。

 決議は、核不拡散条約(NPT)第六条が締約国に「全面的かつ完全な軍備縮小」の実現のため「誠実な交渉」を求めていることや、核兵器の使用や威嚇を原則的に違法とした国際司法裁判所の勧告的意見をあげ、核軍縮に向けた十項目の行動を政府に求めています。

 その中で「二〇〇〇年のNPT再検討会議の合意にもとづきNATO内で核軍縮のための実践的措置をとる」こと、「NPT第六条の実行のために米国の戦術核兵器を欧州から段階的に撤去する」こと、さらに「欧州のすべての非核保有国を含む非核地帯の創設」を働きかけるよう政府に提唱しています。

 六月に開かれたNATO国防相会議ではドイツのシュトルック国防相がやはり欧州にある米国の核兵器撤去を提起。欧州で反核世論が強まっています。

 NATO加盟国では現在ベルギー、ドイツ、イタリア、オランダ、英国、トルコの六カ国の基地に約四百八十発の米国の核爆弾が配備されているとみられます。


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