2005年7月12日(火)「しんぶん赤旗」
救護活動で被爆の7氏
健康手帳の交付却下は違法
9月にも広島市を提訴
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原爆の被爆者の救護活動や死体処理作業などにかかわった「3号被爆」の人で、広島市に被爆者健康手帳の交付申請を却下された隅坂薫さん(64)ら男性三人、女性四人の計七人が十日、却下処分の取り消しを市に求める訴訟を九月にも起こすと発表しました。約二十人が広島市中区の平和ビルに集まって「救護(3号)被爆者訴訟原告団」(隅坂団長)を結成した後に記者会見して発表しました。「3号被爆」の手帳申請をめぐる提訴は初めてです。
広島市は七人の申請を二〇〇二年から今年にかけて、「一日に十人以上の介護」などを要件としている「被爆者の定義」にそって却下。弁護団長をつとめる池上忍弁護士は「被爆者援護法や『被爆者となるべき者に健康手帳が交付されないことがないように』との厚生事務次官通達に違反している」と話しています。
隅坂団長は「同じ救護所にいた私の弟、妹は交付された。勝手に基準を設けて、それにはめようとするが、何の根拠があるのか、なぜ違いが出るのか問いたい」と語りました。
原告団は、会則で個人や団体の誰でも加盟できることを定めた実質上の支援組織。広島市中区の県被団協被爆者相談所に事務所をおいて、事務局長に日本共産党元市議の山根智氏が就任。年会費を団体五千円、個人千円として支援の輪を広げることにしています。