2005年7月9日(土)「しんぶん赤旗」

都議選の教訓をつかみ、「大運動」の飛躍を

全国都道府県委員長会議 志位和夫委員長の報告(大要)


 六日、日本共産党本部で開かれた、全国都道府県委員長会議での、志位和夫委員長の報告(大要)を紹介します。

全国からの熱いご支援に心から感謝

 今日、全国都道府県委員長会議を招集した主な目的は、都議会議員選挙の結果をどうとらえ、今後の党活動にどう生かすかということにあります。

 はじめに、猛暑のなか大奮闘された東京の党と後援会のみなさんに、心からの敬意を表するものです。また、全国から寄せられたご支援に、党中央を代表して、心からの感謝を申し上げたいと思います。全国から派遣していただいたオルグのみなさん、宣伝隊のみなさんの奮闘が、どれだけ東京のたたかいへの励ましになったかは、はかりしれないものがあります。また、対話や支持拡大での支援、募金の支援も、大きな力となりました。ほんとうにありがとうございました。

二回の国政選挙で、政党間の力関係に大きな変化がおこったもとでの選挙

 都議選の選挙結果を見るうえで、この選挙がどんな条件のもとでたたかわれたかということを、きちんととらえることが重要です。

 前回の都議選から四年の間に、二〇〇三年の総選挙と、二〇〇四年の参議院選挙という、二つの国政選挙がおこなわれました。この二つの国政選挙では、「二大政党づくり」の動きが、財界をバックにマスメディアも総動員して、異常な形で強められるもとで、首都・東京の政党間の力関係に大きな変化がおこりました。

 どういう変化がおこったか。そのことを、共産党、自民党、民主党、公明党――今回の選挙で議席を争った主要四政党の東京での得票率で見てみたいと思います。

 二〇〇一年の都議選のさいには、共産党の得票率は15・6%、自民党は36・0%、民主党は13・5%、公明党は15・1%でした。

 ところが二〇〇三年の衆議院選挙の比例代表では、共産党は得票率で9・3%まで押し込まれ、自民党は32・5%、民主党は39・9%、公明党は14・0%となりました。

 さらに二〇〇四年の参議院選挙の比例代表では、共産党は9・4%、自民党は26・5%、民主党は38・9%、公明党は14・8%となりました。

 この二回の国政選挙で、「二大政党づくり」の波が強烈な形でおこり、とくに民主党への大きな「風」がおこったということがこの結果にしめされています。そのもとでわが党は、9・3%ないし9・4%の得票率まで大きく押し込まれたというのが、首都での政党間の力関係の変動でした。

 得票数でみると、二〇〇四年の参議院の比例代表で、民主党が獲得した得票は二百十五万票です。共産党は五十二万票でしたから、民主党と共産党との間には四倍もの得票の格差がありました。

 今回の選挙は、こうした力関係の大きな変動のもとでのたたかいだったということを、結果をみるうえで、まずよくとらえておくことが大切です。

「二大政党づくり」の動きは打ち破れることを、端緒的ではあるがつかんだ

 こういう条件のもとでのたたかいですから、政党間の力関係をどこまで押し返したかが、結果を見るさいに大切であります。

 わが党は多くの選挙区で自民・公明・民主の各党と本格的に議席を争う選挙戦をやり、現有十五の議席は確保できなかったものの、二つの二人区で勝利して十三議席を獲得し、得票率で15・6%まで押し戻しました。これは全体として重要な成果といえる結果であります。

 全体の政治の流れを考えてみても、前回の都議選で二十六議席から十五議席に後退したときには、「小泉旋風」のもとで、雪崩をうって落とされたような実感がありました。これは、「二大政党づくり」の動きが本格化した〇三年の総選挙、〇四年の参院選での大きな後退の前触れになりました。

 今回は、この動きに正面からたちむかい、得票率の面では二度の国政選挙での後退を乗り越えて、ほぼ前回なみの15・6%まで回復しました。15・6%というのは衆議院の比例東京ブロックにあてはめると二・六五人分にあたります。あと二ポイント積み増しすれば三人分に近づきます。わが党を都議会からはじき出そうとする自民・公明・民主三党相手のたたかいで、この結果をつくった意義は大きなものがあります。これは、今後の国政選挙での前進の一つの足がかりになりうるものです。今後の奮闘いかんでは、「二大政党づくり」という流れを変える転換点となりうるものです。

 一つの反応を紹介しておきます。昨日の日本経済新聞では、ある都庁幹部の発言を紹介してつぎのようにのべました。「『共産党が得票率でも横ばいで、惨敗しなかったのが今回の選挙の最大の想定外。政府税調の増税路線が追い風になったのか』と首をかしげる。共産党が唯一の野党という構図が続くかもしれない」。日本共産党が「予想」をこえて奮闘した。この見方は選挙の事情に通じた人々の共通した見方だったようです。

わが党自身の力で「風」をおこしながらたたかった

 結果をみるうえでいくつか重要な点があります。

 第一は、今度の選挙は、わが党自身の力で「風」をおこしながらたたかった選挙戦だったということです。この選挙は、マスメディア的な「風」はわが党にはまったく吹かない状況のもとでのたたかいでした。たとえばある全国紙が夕刊で「豪華海外視察」の記事を出しましたが、これは例外的なもので、マスメディアは他の党を利する記事をだしても、共産党を利することは絶対にやらないということに徹しました。そういうもとで、わが党が自らの力で「風」をおこしてたたかった選挙だったということが重要であります。

無党派層の一定の支持をえた選挙だった

 第二に、無党派層の一定の支持を集めたということです。「朝日」の出口調査は、その党が獲得した票の中で無党派層および他党支持層からの得票の比率を紹介しています。それをみますと、自民党20%、民主党32%、公明党36%、共産党47%と、四党の中でわが党が最も多いという結果が出ています。わが党は今度の選挙で、もともとの共産党支持層をほぼ倍にする得票をえたことになります。これはほかが作ってくれた「風」の結果ではなくて、みずからおこした「風」によって、全得票の47%をわが党支持でない方たちから獲得したという点が重要です。

 各報道機関がおこなった出口調査では、無党派層の投票動向も調べていますが、共産党は20%前後に達し、自民党、公明党をうわまわり、民主党につづいて二番目となっています。無党派層の一定の支持をえたということは、選挙戦におけるわが党の政治的勢いを反映したものだといえると思います。

2つの2人区での勝利の意義はきわめて大きい

 第三に、文京区、日野市の二人区で、共産党落としのシフトをはね返して勝利をかちとったことの意義は、きわめて大きいものがあります。

 文京区では、有力四人が立候補し、公明党・創価学会が、現職の自民党候補と保守系無所属候補に票をまわすという、徹底した反共シフトがとられました。そのもとで四年間地道に区民要求の実現の先頭に立って奮闘してきた候補者への信頼が広がり、党と後援会が燃えに燃えて奮闘し、地元商店街、建設業界、地場産業など、保守の方々をふくめて、これまでにない広範な人々のなかに支持を広げ、勝利をかちとりました。

 日野市では、有力三人が二議席を争う選挙で、民主党が現職の生活者ネットの候補を応援し、公明党が自民党の現職候補を推薦するという形で、「オール与党」による共産党追い落としの布陣がしかれました。そのもとで地元の党組織は、(1)候補者を先頭に党派選挙として党と後援会の総力を結集したたたかいを展開する、(2)無党派の市民のみなさんとの共同を最大限追求するという方針でのぞみました。四月に日野市では市長選挙がおこなわれ、そこで大健闘した窪田之喜弁護士など無党派の市民の方々が「日野市民の代表を都政に送る会」をつくって、市民的共同が広がるなかでの勝利となりました。

 それから、当選にはいたらなかったけれども、二人区の選挙区で、たとえば台東区では、得票率を4・9%伸ばして22・8%という得票率をえています。北多摩四区では、得票率を3・4%伸ばして27・1%の得票率をえています。立川市では、得票率を3・1%伸ばして24・4%の得票率をえています。二人区という条件で、得票率を3%から5%ちかく引き上げる積極果敢な奮闘をしたことは、高く評価できると思います。

 さらに、この選挙では、全選挙区に候補者を擁立して奮闘し、「東京は一つ」ということで、選挙区の垣根をこえて大奮闘するという方針のもとでたたかったわけですが、全体として、今回ただちに議席獲得は困難だった選挙区もふくめ、区部、多摩地域ともほぼ参議院比例票を上回って得票をしたということも重要な奮闘でありました。

 このように、「二大政党づくり」の動きは、たたかい方によっては打ち破れるということを、端緒的ではあるが、つかめたというところが、今回の選挙結果をみる場合に重要であります。このことを全党の確信にしようではありませんか。

選挙戦全体をつうじて、政治論戦は攻勢的で正確なものだった

 こうした重要な成果をえた根本に、選挙戦全体をつうじて、政治論戦が攻勢的で正確なものだったことがあげられます。

「オール与党」か、日本共産党か――対決構図を鮮明に打ち出した

 第一に、わが党は、「『二大政党づくり』とは『オール与党』化」であるということを、国政と都政の両面から明らかにし、それとの対比で日本共産党の値打ちをおしだすことを、政治戦略の基本にすえてたたかいました。

 国政でも、都政でも、「二大政党づくり」の本質が見えやすくなるという状況がすすんでいる。そのもとで、その本質を徹底的に明らかにするということを、選挙戦の政治戦略の大方針にすえました。

 国政では、都議選と同時並行で、自公と民主が合作で大増税路線をすすめる、介護保険法の大改悪に象徴されるような社会保障切り捨てをすすめるという事態が進行しました。都政では、文字通りの「オール与党」体制がつくられるもとで、福祉と暮らしの破壊、無駄遣いの横行、平和と民主主義の破壊の政治がすすみました。そのことをとらえ、「『オール与党』対日本共産党」という対決構図を、論戦の早い段階から組み立ててたたかったことは、政治論戦の全体をリードするものとなりました。

 都議選の直前の六月二十一日に政府税調がサラリーマン大増税の方針を打ち出してきました。これにたいしてわが党は、告示第一声からこの問題をとりあげ、大増税への審判を呼びかけたわけですが、この問題は選挙戦終盤に入って全体の争点として浮かびあがってきました。そのさい、都政問題とともに、この問題を重視して訴え、自・公・民の立場が、そろって増税推進であることを明らかにしたことも的確だったと思います。

歴史問題で攻勢にたち、情勢を動かすなかで選挙戦をたたかった

 第二に強調しておきたいのは、今度の選挙で、わが党が歴史問題で深いところで政治的攻勢にたち、日本と世界の情勢を動かすなかで選挙戦をたたかった。これは非常に重要なことであります。

 五月十二日の不破議長の講演――「日本外交のゆきづまりをどう打開するか」を出発点に、わが党は「しんぶん赤旗」でも、国会論戦でも、歴史問題をとりあげ、本格的なキャンペーンをおこないました。

 それから二カ月で情勢は大きく変化しました。国内のマスメディアの論調が変化する。保守の政治家のなかからも首相の靖国参拝への批判の声が広がる。とうとう海外にまで批判の声が広がり、米紙ニューヨーク・タイムズやUSAトゥデーなどが批判を始めました。ニューヨーク・タイムズでは、「靖国史観はほとんどのアジア人やアメリカ人にとって受け入れることはできない」と書きました。

 わが党は、首相の靖国参拝のどこが問題かを提起するさいに、靖国神社がたっている「日本は正しい戦争をした」という歴史観、戦争観そのものを問題にしました。海外でも、わが党が提起した、靖国神社の歴史観、戦争観という問題の核心にせまる批判が広がっていることが重要であります。

 ここには道理の力というものが強く働いていると感じます。そしていま私たちがとりくんでいるたたかいは、戦前・戦後、反戦平和をつらぬいた日本共産党でなくてはできないたたかいです。

 わが党は、この問題を、都政にも深くかかわりのある問題として位置づけ、選挙戦をたたかいました。反戦平和という党の存在意義にかかわる問題で、情勢をリードしていることは、選挙戦をたたかう多くの党員の日本共産党員としての勇気と確信をわきたたせるものとなりました。

この選挙からどう教訓を導くか――二つの大切な観点について

 そのうえで、この選挙からどう教訓を導くか。教訓をひきだすさいに、二つの大切な観点があると考えます。

個々の選挙区ごとに分析を深めることが重要

 一つは、個々の選挙区ごとに分析を深めることが、この選挙では大事になってくるということです。

 この間の後退した選挙総括では、個々の選挙区の問題よりも、全体としての流れが何だったのか、それにたいしてわが党がどう対応し、それがどういう意味をもち、またどこにどういう問題点があったのかが、分析の焦点でした。

 しかし、今回の都議選は、議席を二つ減らしたわけですけれども、得票率は四年前とほぼ同じ水準まで押し戻しました。残念ながら議席を失った選挙区もありますが、その一方で二つの二人区で勝利し、四人区の中野区でも勝利するなど、議席を取り戻した選挙区も生まれました。議席を取り戻すまでにはいたらないけれども、得票率を大幅にのばした選挙区もあります。

 ですから今度の選挙総括では、個々の選挙区ごとの分析が大切になってきます。難しい条件のもとで勝利した経験もあるわけですから、それによく学ぶ必要があります。同時にその経験にてらして、失敗したところにはどういう問題点があるのか、それをどう克服するのかについて、これも突っ込んで分析する。勝ったところからも、負けたところからも、しっかりした教訓を引き出すことが大切になってきます。

 そのさい、候補者交代という問題があります。これは、従来の考えでは、思い通りにいかない面があるということを、よく見る必要があります。党機関が候補者の交代を発表して、党組織と後援会まで徹底することに成功したとしても、有権者全体のなかに候補者の信頼や共感を広げるのには、かなり時間がかかる。間に合わないということにもなる。これが、たたかっての率直な実感なのです。

 ですから新しい候補者の魅力を広く選挙民に知らせ、交代しても勝つようにするには、ほんらいは四年ぐらいが必要だという構えが必要です。現新交代をするのだったら、新しい候補者が、現職議員と一緒になって、同じようにがんばる。都議会に傍聴に行くとか、住民要求実現の先頭に立つとか、日常的な宣伝をやるとか、同じようにがんばって現新交代を有権者のなかで浸透させきる。そうした構えが必要であり、これには一定の時間がかかります。

 この教訓は、全国的なたたかいにただちに生かしていただきたいと思います。すなわち二〇〇七年四月におこなわれるいっせい地方選挙を展望しますと、あと二年を切っています。候補者決定をすみやかにすすめることが強く求められます。これを都議選の教訓として、全国で生かしていただきたいと思います。

党組織の実力――質量ともに強い党をつくろう

 いま一つの重要な観点は、党組織の実力の問題です。今回の都議選の結果は、首都の党組織の実力が、選挙戦という都民的規模の政治戦によって点検を受けたものだといえると思います。

 多くのみなさんの日夜をわかたぬ大奮闘がありましたが、四年前の都議選にくらべて、対話と支持拡大の規模は七、八割という到達点にとどまりました。投票日当日の棄権防止の数もだいたい八割程度にとどまりました。

 政治論戦ではリードしている。立ち上がっているみなさんは非常に元気で、大奮闘をしている。しかし、党と後援会の決起が、最終盤になってもなかなか飛躍的には広がらない。質量ともに党の実力をつけなければならないということを、たたかった多くのみなさんが痛切に感じた選挙だったと思います。

 「支部を主役」に党を土台から作り上げるという観点から、組織の現状を見た場合に、いろいろな政治的な崩れがある、組織的な崩れがあるということも、選挙戦のとりくみのなかで明らかになり、それを立て直しながら、いままで未結集だった人たちを結集しながら選挙をたたかった経験もありました。

 「支部を主役」にした党づくりという面から見て、党建設上の質的、量的な問題点をさまざまな角度からリアルにつかみ、そこから深く教訓を引き出して、全国と東京での「大運動」の前進に生かす必要があると思います。都議選のとりくみをつうじて、「大運動」の意義はいよいよ重大なものとなったということを痛感します。

 職場支部の活動の前進のための本格的なとりくみも重要です。そのさい相手方の職場支配の形態の変化という問題があります。すなわち「リストラ」の掛け声で、正社員から非正規雇用へと大規模に置き換えているという事態があります。そういう中で党活動をどう発展させるか。その本格的なとりくみは、まだ党全体としても十分とはいえません。つぎの国政選挙といっせい地方選挙にむけて、職場支部の活動の抜本的な強化のための本格的なとりくみもいよいよ大事だということも、この選挙戦をつうじて痛感させられた問題でありました。

当面の活動――「大運動」の飛躍、総選挙準備について

 最後に当面の活動について、報告します。

この七月、「党勢拡大の大運動」の飛躍を必ず

 第一は、「党勢拡大の大運動」の問題です。「大運動」のとりくみでは、五月には全党のみなさんの奮闘で、党員、日刊紙、日曜版で前進をかちとりました。六月は、党員では前進しましたが、日刊紙、日曜版では残念ながら後退となりました。しかし、五、六月を通じて、三目標に迫る奮闘をしている香川県をはじめとして、先進的な経験も生まれており、その経験によく学んでとりくみの飛躍をはかりたいと思います。

 この七月は、「大運動」の四カ月目の月として、そして党創立八十三周年の月として、すべての党組織が、七月目標に正面からいどみ、達成する月にしたい。「大運動」での奮起を心から訴えるものであります。

 そのさい大切な点が二つあります。一つは、都議選は、全党の力を結集してたたかった一大政治戦だったわけですから、その結果と教訓を全党のものにすることが大切であります。とくに「大運動」とのかかわりでいいますと、都議選の結果は党の実力をつけるこの切実な意義を痛感させるものであったわけで、この教訓もふくめて、都議選の結果の見方と教訓を、ぜひ全党のものにする努力をお願いしたいと思います。

 もう一つは、三中総決定の徹底を軸にしながら、情勢の特徴と党の役割について、全党の確信をあたえる政治指導がとても大事だということです。さきほど、「二大政党づくり」の本質がみえやすくなっている情勢だということ、歴史問題でわが党が非常に先駆的な役割を果たしているということをのべました。この二つの問題は、情勢のはらんでいる面白さをつかむうえで、全国どこでも共通する問題です。三中総決定をすべての党員に読んでもらうための努力をひきつづきおこないながら、不破哲三議長の五月十二日の講演、あるいは「しんぶん赤旗」の一連の論文の学習なども、ぜひすすめていただきたい。こうして七月を、「大運動」の本格的な前進と飛躍の月にしようではありませんか。

解散・総選挙となっても対応できる構えと準備を

 第二は、解散・総選挙への準備という問題です。

 昨日、衆院本会議で、郵政民営化法案をめぐって、非常に緊迫した事態がおこりました。郵政民営化法案にたいして与党内から大量の造反者がでて、五票差で可決されるという事態であります。これは、小泉政権にとって重大な打撃になる結果であります。

 この結果は、この法案がいかに道理がないかということをしめすものです。また国民世論の批判が非常につよいことを反映するものです。この法案にたいして、わが党は、郵貯・簡保をつぶして大銀行の食い物にするという本質をつく批判を展開してきましたが、そういうもとで批判がひろがって、こういう事態が生まれているのであります。

 今後は、参議院段階のたたかいになってくるわけですけれども、政局の流動化は予断を許さないものとなりました。この事態は、根本は、自民党政治のゆきづまり、小泉政治のゆきづまりから生まれている事態ですが、ここまで矛盾が深刻になってきますと、今国会末の解散の可能性もありうることです。解散・総選挙となれば、われわれは、自民党政治の根本的転換を訴え、「二大政党制づくり」の動きに正面から立ち向かい、前進をめざすたたかいを意気高く展開します。

 いつ解散・総選挙になっても対応できる政治的構えと緊張感をもって、七月、八月は、おおいに奮闘する必要があります。七月、八月の「大運動」は、緊迫した政治状況のなかでのたたかいだということを位置づけて、「大運動」での前進・飛躍を、この点からもよく位置づけてとりくむことを訴えたいのであります。政局の展開がどうなろうと、「大運動」で前進・飛躍の波をつくっていれば、党の大きな政治的勢いをつくりだし、選挙になっても必ず大きなプラスになるわけですから、それも念頭において、緊迫感をもって「大運動」にとりくむことがきわめて大切であります。

 党機関の準備として必要なことは、候補者決定の問題です。小選挙区の候補者決定をすみやかにおこなっていただきたい。方針はすでに明確です。決めるべき選挙区では、候補者をすみやかに決める決断が必要です。

 以上をもって報告を終わります。


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