2005年7月7日(木)「しんぶん赤旗」

負担上限 本人所得で

障害者「自立支援」法案 山口議員が質問


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(写真)質問する山口富男議員=6日、衆院厚生労働委

■衆院厚生労働委

 日本共産党の山口富男議員は、障害者「自立支援」法案を審議した六日の衆院厚生労働委員会で、「応益負担」導入による急激な利用者負担増を軽減するための負担上限額を、世帯の収入に応じて設定する問題を追及。「国自身が音頭をとって、家族負担への道をひらくことになる」と、撤回を求めました。

 同法案は、障害者福祉サービスの利用者一割負担について、所得に応じた上限を設けます。その際の所得を、障害者本人と同じ世帯で暮らす家族の収入も加えて判断するしくみにしています。

 世帯の範囲をどうするか、厚生労働省は国会審議では示さず、今後検討するとしています。山口氏が「狭める方向なのか」とたずねたのに対し、同省の塩田幸雄障害保健福祉部長は「障害福祉サイドからはなるべく本人の所得に限定する方向での検討が必要だと考えている」と答弁しました。

 山口氏の要求で厚労省が提出した、障害者福祉施設の利用者の所得階層の推計によると、在宅や通所系サービスの利用者の約七割は、「低所得」よりも負担上限が高くなる「一般」に区分されています。

 山口氏が「本人の収入でみれば、低所得の方に大きくシフトすることになるのではないか」と指摘したのに対し、塩田部長も「指摘の通り」と答弁。世帯所得を基準にした上限設定では、低所得者の利用者負担を軽減する方向に働かないことが明らかになりました。


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