2005年7月4日(月)「しんぶん赤旗」

医療事故

紛争処理制度検討へ

厚労省 裁判以外の方法探る


 医療事故をめぐる紛争を裁判によらないで解決する制度について、厚生労働省が具体的に検討を始めることが三日までに分かりました。六月二十九日の社会保障審議会医療部会で方針が示され、七月中にも研究班を発足させる予定。制度の創設は二〇一〇年度を目安としています。

 医療紛争の処理は、当事者による示談か裁判が主な枠組みになっています。医療情報をもたない患者にとって立証責任が必要な裁判は、時間と費用がかかり、苦痛を与えます。医療機関にとっても裁判は、過失や損害賠償など法律上の責任を追及されますが、事故の原因究明や再発防止策にはなりません。

 そのため、第三者機関による原因究明をふまえ、裁判外による中立的な紛争処理、速やかに患者を救済する制度を求める声は高まっていました。

 厚労省に裁判外処理機関の設立を要望してきた全日本民主医療機関連合会は、「医療の安全性・質を高め、国民から信頼される医療を実現するために同機関は必要。運営のための財源や人選について、特定の団体や企業の影響をうけず、患者の声も反映できる公正・中立な機関を国や自治体が責任をもって確立すること」としています。


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