2005年7月3日(日)「しんぶん赤旗」

「川上ダム継続」に批判

三重・伊賀


 国土交通省近畿地方整備局が工事中の淀川水系五ダムのうち、国直轄の二ダムの事業中止を決める一方、三重県伊賀市の川上ダムなど三ダムの事業を継続する方針を一日発表したことに、反対運動を進めてきた住民から批判の声が上がっています。

 五ダムについては、同整備局が設置した淀川水系流域委員会(委員長・寺田武彦弁護士)が事業見直しの必要性を強調する意見書をまとめていました。

 五ダムとも、水需要の減少で利水目的はほとんどなくなっていますが、同整備局は、建設するとした三ダムについては治水面で必要としました。

 川上ダムでは、岩倉峡(伊賀市)上流の洪水対策が名目になっていますが、ダム建設に反対する「伊賀の水と緑を考える会」は、同ダムで調節できる雨量が流域全体の約10%にすぎないことや、岩倉峡が十分な疎通流量を持っていることなどを指摘しています。

 「考える会」の畑中尚副代表は、「川上ダムは利水面はもちろん、治水面でも必要ないことは明らか。自然環境に重大な影響を与えるダムを造るべきではない」と主張。

 国が事業規模を縮小するとしたことについて「当初計画の規模でも必要性が議論されてきたのに、縮小すればダムの効果も小さくなる。形だけ造るということでいいのか」と批判しています。


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