2005年6月27日(月)「しんぶん赤旗」
日本に新アジェンダ連合参加訴え
核兵器廃絶の促進に
米研究者
米リンカーン大学のアンソニー・ディフィリッポ教授(社会学)は米誌『フォーリン・ポリシー・イン・フォーカス』電子版六月二十一日号掲載の論文で、核兵器廃絶をめざす国家連合である新アジェンダ連合(NAC)に日本が参加することこそ、核廃絶を促進すると訴えています。
論文は、五月の核不拡散条約(NPT)再検討会議が実質的合意なしに終了したことを憂慮。「より多くの国がNACに参加すればするほど、核保有国に核廃絶義務を果たさせる、より大きな国際的圧力をかけることができる」と指摘し、NACに参加すべき第一の候補に日本が含まれるとしています。
論文は「日本がNACに入っていないのは異常事態だ」と指摘。日本は、米国の核の傘のもとに置かれていることをNAC不参加の理由としてきたが、日本の安全保障を強化するには、核廃絶と北朝鮮との関係改善を図る方が「より大きな安全を日本にもたらす」と述べています。
同氏は、「日本が脅威とみなされないことこそ、日本の安全に対する脅威を減らす最善の道だ」と指摘。「米国との軍事同盟の強化を主張し『普通の国』になると決意する」のは逆効果であり、「核廃絶を支持する日本国民の感情を傷つける」と述べています。
ディフィリッポ教授は『米日軍事協調の挑戦課題』などの著書があり、平間・杉田編著『北朝鮮をめぐる北東アジアの国際関係と日本』(明石書店)などで論文が邦訳されています。