2005年6月24日(金)「しんぶん赤旗」
橋梁工事 首都高も高落札率
平均97.8%
国土交通省や日本道路公団発注の鋼鉄製橋梁(きょうりょう)工事をめぐる談合事件で談合組織に参加している企業が、首都高速道路公団発注の工事でも異常に高い落札率(予定価格に占める落札価格の比率)で橋梁工事をほぼ独占受注していたことが二十三日、本紙の調べでわかりました。
二〇〇一年度以降に同公団が発注した中央環状新宿線(目黒区青葉台―板橋区熊野町間)と、高速晴海線(中央区晴海―江東区有明間)の鋼鉄製橋梁工事は十七件で、平均落札率は97・8%でした。
99%台が五件と最も多く、98%台が四件、97%台三件と続き、95%以上が十五件(88%)を占めています。(表参照)
工事を受注した二十一社のうち、二十社は談合組織K会とA会のメンバー企業でした。
落札率が最も高かったのは高速晴海線14工区(C)上部・橋脚工事の99・85%。談合容疑で東京高裁に起訴されたA会常任幹事の川田工業とK会の日本橋梁のJV(共同企業体)が受注しました。
一方、高速晴海線12工区豊洲出入口上部・橋脚工事入札は65%台で落札しています。入札に参加した九社のうち、談合組織に加わらない企業二社が参加し、談合が成立しなかったとみられます。
公正取引委員会の調査によると、過去の入札談合事件の不当利得の平均値は契約額の18・6%で、首都高発注の橋梁工事で推計すると、不当利得の額は約三十九億円となる計算です。
首都高速道路公団が発注した橋脚工事の受注企業と落札率
| 中央環状新宿線 | 受注企業 | 落札率 |
| 32工区 | 石播重工・駒井鉄工 | 99.78% |
| 32工区(3) | 川崎重工・住友重工 | 99.22% |
| 63工区(3) | 横河・ハルテック | 99.12% |
| 八幡橋(1) | 高田機工 | 97.48% |
| 14工区B・D | JFEエンジニアリング | 97.19% |
| 32工区 | 三菱重工・片山 | 96.47% |
| 32工区 | 松尾橋梁 | 94.46% |
| 首都高速晴海線 | 受注企業 | 落札率
| 14工区(C) | 川田工業・日本橋梁 | 99.85%
| 14工区(D) | 宮地鉄工・日本鉄塔 | 99.46%
| 14工区(D) | 宮地鉄工・日本鉄塔 | 98.94%
| 14工区(C) | 川田工業・日本橋梁 | 98.90%
| 14工区(B) | サクラダ・三井造船 | 98.62%
| 14工区(A) | 横河・片山 | 98.12%
| 14工区(1) | 川鉄橋梁・駒井 | 97.64%
| 13工区(1) | JFE・高田機工 | 96.38%
| 13工区(2) | 東京鉄骨橋梁・佐藤工業 | 95.53%
| 12工区 | コミヤマ工業 | 65.78%
| |
太字は談合組織参加企業

