2005年6月24日(金)「しんぶん赤旗」

核問題解決へ実質的措置

南北閣僚級会談で合意

離散家族面会所を建設へ


 二十一日からソウル市内のホテルで開かれていた韓国と北朝鮮の第十五回南北閣僚級会談は二十三日、北朝鮮の核開発問題について「対話の方法で平和的に解決するための実質的な措置を取る」ことを盛り込んだ共同報道文(合意文書)を採択し、協議を終えました。朝鮮戦争で捕虜になり現在も北朝鮮で生存しているとされる韓国軍兵士の問題を協議する第六回南北赤十字会談を、八月中に開くことでも合意しました。

 韓国側首席代表の鄭東泳・統一相と北朝鮮側首席代表の権浩雄・内閣責任参事は、閣僚級会談としては初めての共同記者会見を開催、共同文書を読み上げました。

 核問題については、これまでの閣僚級会談では「対話を通じた平和的な解決」という表現でした。今回は「朝鮮半島の非核化を最終目標」にし、「実質的な措置」を取ると、一歩踏み込んだ表現になっています。ただ、六カ国協議への復帰といった具体的な内容は明記されていません。

 赤十字会談に関し韓国側は、漁民などの拉致被害者についても議題にするとしています。

 軍事的緊張の緩和のために、第三回将官級会談を開くことでも合意しました。

 また八月十五日にソウルで開かれる植民地支配からの解放記念行事に北朝鮮政府代表を派遣することを確認。日本による植民地支配に道を開いた一九〇五年の日韓協約(乙巳条約)が「当初から無効だったことを確認する」としています。さらに(靖国神社に置かれている)豊臣秀吉軍撃退の記念碑「北関大捷碑」返還に向け実務的措置を取ることにしました。

 合意文書は、約一年間途絶えていた当局間の対話・交流事業をほぼ全面的に再開する内容となりました。

 南北に生き別れになっている離散家族の再会は、八月二十六日に北朝鮮の景勝地・金剛山で実施し、同月中に常設の面会所の建設に着工。映像を利用した「画像再会」実現のために七月十日に実務協議を始めます。

 また南北経済協力推進委員会の第十回会合を七月九日から四日間の日程でソウルで開催。北朝鮮に食糧借款を供与するとともに、閣僚級会談の傘下に南北農業委員会を置くことにしました。

 次回の閣僚級会談は九月十三日から四日間の日程で北朝鮮の白頭山で開くことになりました。


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