2005年6月23日(木)「しんぶん赤旗」

萩原遼氏を除籍


 日本共産党中央委員会の規律委員会は、十七日、萩原遼氏(元赤旗平壌特派員)の除籍を決定しました。

 萩原氏は、一九八九年に赤旗編集局を退職した後も元赤旗平壌特派員の肩書を使い、党外の出版物で、党を批判したり、北朝鮮問題で党とは異なる見解を公表してきました。

 そのつど、日本共産党規約に照らし、党員の行動として誤りであることを指摘し、長時間の議論を経て、萩原氏も、「二度とやらない」と表明していました。

 ところが、二〇〇二年九月に日朝平壌宣言が発表されると、萩原氏は、元「赤旗」平壌特派員の肩書で次々とマスコミに登場。日本共産党が、北東アジアの安定と平和を確立する立場から、核問題や拉致事件など、日朝問題の解決の目標と方向を示したものとして平壌宣言を評価したのにたいし、萩原氏は、「一部の政党」と名指しは避けつつも、「身代金交渉に応じる卑屈な論」だと批判しました。

 これにたいして、党は、今後同様なことをおこせば「党員の資格」が問われることをきびしく指摘し、萩原氏の態度を見守ってきました。

 しかし、萩原氏は、その後も、自著で、小泉首相の「日朝正常化交渉」発言を非難しつつ、「それに追随する一部野党の見苦しい醜態」などと書いています(『金正日 隠された戦争』)。これは、日本共産党を指しての批判であることは明らかです。党規約を守る立場を放棄する態度です。 さらに、五月二十四日の朝鮮総連結成五十周年記念レセプションの際、会場の近くで、「そこに駆けつける政治家は恥を知れ」と訴えたことが報道されています(「産経」五月二十五日付)。

 このレセプションには、日本共産党から不破議長が出席。北朝鮮側の問題点について率直に指摘しつつ、今日の日朝関係を打開するために、次のような六項目の提言を行っています

 (1)日朝平壌宣言を堅持し、その生きた力を発揮させる(2)拉致問題――国際的な犯罪を認めた最初の決断は、ひきつづく諸問題に誠実に対応してこそ、日朝の友好と信頼の道につながる(3)拉致協議前進のカギは「特殊機関」問題の解決にある(4)交渉打ち切りや「力の政策」など、平壌宣言にそむく態度をいましめあう(5)「非核化」の六カ国合意こそ安全保障の最善の道(6)私たちは、現状の打開に力をつくす用意がある。

 萩原氏は、党からの注意をまったく無視し、党規約に反する行動を続けました。このような事実を慎重に審議した結果、党員としての資格を自ら喪失したものと判断し、規律委員会は、党規約第十一条にもとづき、十七日、萩原氏と協議を行い、除籍を通告しました。

 党規約第十一条は、「党員の資格を明白に失った党員、あるいはいちじるしく反社会的な行為によって、党への信頼をそこなった党員は、慎重に調査、審査のうえ、除籍することができる。除籍にあたっては、本人と協議する」と定めています。


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