2005年6月22日(水)「しんぶん赤旗」

戦車・戦闘機などの値段は?


 〈問い〉 巨額な軍事費に戦車、戦闘機などがふくまれていると聞いて大変腹が立ちます。平和な日本に戦車がなぜ必要でしょう。一台、一機どれくらいの値段なのですか?(福岡・一読者)

 〈答え〉 日本は、毎年約5兆円を軍事費に費やす世界有数の“軍事費大国”です。

 ソ連崩壊から15年がたとうとしているいまなお、着上陸侵攻を想定した90式戦車(8億円×12)やF2戦闘機(127億円×5)などの調達をつづけています(05年度予算)。

 一方、米国が先制攻撃戦略を公然と打ち出し、世界の米軍再編をすすめる下で、軍事費の中身も大きく様変わりしようとしています。

 政府が昨年末閣議決定した新防衛大綱は、日本に対する本格的な着上陸侵攻の可能性が低下したことを認め、海外での活動を今後の自衛隊の任務の中心(本来任務)にすえる方針を打ち出しました。「自衛のための必要最小限度の実力」であったはずの自衛隊を、本格的な海外派兵のための軍隊につくりかえようというのです。

 このため、戦車や戦闘機の規模は下方修正し、その分、海外派兵型装備の導入に予算を振り向けています。

 戦闘機の航続距離を伸ばし、海外への侵攻を可能にする空中給油機(248億円)や洋上での作戦展開拠点となるヘリ空母(1057億円)、イラク・サマワでも部隊移動に使用している軽装甲機動車(0・3億円)などです。イラク戦争のような米国の先制攻撃に本格的に参戦できる軍隊づくりに、国民の税金が注ぎ込まれているのです。

 ミサイル防衛(MD)への参加も重大です。

 報復の心配なく先制攻撃できる体制をつくるため、米国がすすめているもので、現在、政府が導入をすすめているシステムだけでも約1兆円、相手の対抗策に応じたより高度なシステムの開発・配備にふみこんでいけば、際限のない予算が必要になります(米ランド研究所の試算では最大6兆円)。

 対米追従をやめ、抜本的な軍事費の削減にふみだすべきときです。(真)

 〔2005・6・22(水)〕


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