2005年5月30日(月)「しんぶん赤旗」

ゆうPress

平和に向かって訴え!!

あくまでカッコよく

神奈川高校生平和ゼミ代表 猪股雄介さん(17)

NPT会議のためNYにも


 私立高校二年生の猪股雄介さん(17)=神奈川・相模原市=は今、神奈川高校生平和ゼミナール(P―STEP)の代表を務めています。五月の連休には、核兵器廃絶を訴えるためにニューヨークへ行くまでに“大変身”。「かっこよく平和を訴えたい」と目を輝かせます。(畑野孝明)

 五月の土曜日午後。P―STEPのメンバーは、JR横浜駅西口前で、通行人に「ピースメッセージカード」を呼びかけました。

 「イラク戦争やテロのこととか、興味を持っている高校生は多いはず。でも気持ちを外に伝える場所がないでしょ。だったらメッセージカードに書いてもらおう、と始めました」と猪股さん。何回かの行動で集まったメッセージカードは八十枚以上。この日も二十枚近く集まりました。

 通りがかった二人連れの女子高校生は、説明すると、そろってメッセージを書き込んでくれました。数人の若い男性グループは「おうやってやろうぜ」と誘い合って記入。偶然通りかかった高校の先輩からは、あめの差し入れもありました。

 一時間あまりの行動の終わりには、この日参加した五人が感想を交流。「次はもっと大勢でにぎやかにやろう」と確認して解散しました。

転機は世界大会

 憲法九条(戦争放棄、戦力を持たない)の内容も知らず、「憲法を変えても、いいように変えるんだったらいいじゃん」と思っていたという猪股さん。

 去年の八月、お兄さんに誘われて参加した原水爆禁止世界大会(広島)が転機になりました。

 大会で聞いた被爆者の体験は衝撃的でした。被爆していっしょに逃げた友だちが、何かの下敷きになり動けなくなった。「助けて」という声が聞こえたが、自分は逃げるので精いっぱいだった。周りには、皮膚が焼けただれて垂れている人も――。

 その後に訪れた原爆資料館では、被爆者の話を裏付ける数々の展示がありました。「想像もしていなかった被爆の実態に、胸が苦しくなりました」。翌日の「高校生のつどい」で各地の高校生の発言を聞き、「みんな生き生きしていて、自分もやってみたい、と思いました」。

 神奈川に帰ってからも、青年たちが行った街頭報告集会と、その後のキャンドルウオークに参加しました。「デモなんてはずかしい、と思っていた。でもやってみたらすごく楽しい。一つの目的に向かってみんなで行動するってかっこいいですよね」


 今年三月に東京・宮下公園で開かれた全国高校生集会には、実行委員として参加。この集会に参加した神奈川県の高校生たちの中から「神奈川にも高校生平和ゼミをつくろう」という話が出てきました。NPT再検討会議(注)のためにニューヨークに行くことを決めていた猪股さんは、ためらわず「ゼミ」代表を引き受けました。

 「9・11テロのあったグラウンド・ゼロに立ってみたかった」と、意気込んで参加を決意したニューヨーク行き。さまざまな集会に出かけていって募金を訴え、参加費を作りました。

 四月三十日に成田空港を飛び立ち、ニューヨークに着いた翌日には四万人の平和行進に参加。参加者が思い思いの表現方法でメッセージを発信するやり方が新鮮でした。次の日からは近くの公園で署名活動、アイルランド大使館訪問、世界青年のつどい参加と大奮闘。「アメリカや世界中に平和を願って行動している人がいることを実感できた。仲間が世界中にいる、とうれしかった」

6月26日に集会

 「この体験を、まわりの人にも知ってほしい」と帰国後、さっそく新しい行動を始めています。神奈川県の青年たちは、六月二十六日に「ピースインパクト」(かながわドームシアター)という集会を計画しています。猪股さんは、P―STEP代表として実行委員会に参加。副実行委員長を引き受け、奮闘中です。

 「平和運動にも、いろんなやり方があるはず。ぼくは、おしゃれでかっこよく平和を訴えたい」


メッセージ カードから

 人を傷つけても得る物は何もない。くだらないことをやめて“平和”を築き上げよう

 戦争したっていいことないゼ。死にたくないんだ! 平和にいこう

 世界に誇れる憲法九条を守りましょう


 NPT再検討会議 一九七〇年にできたNPT(核不拡散条約)の約束が守られているかを五年ごとに検討する会議。前回は核保有国による核兵器廃絶の「明確な約束」が合意されましたが今回、アメリカの拒否で合意に達しませんでした。日本原水協は同会議に向け、核兵器廃絶を要請するため八百人以上の代表団をニューヨークに送りました。


お悩みHunter

後ろ向きでダメ人間自分でもイヤになる

  僕は自分が好きになれません。学校の授業で先生にあてられ、みっともない答えしかできなかったときなど「オレはダメな人間」と思ってしまいます。友だちとも、言いすぎて「傷つけてしまったのでは」とすぐ後悔したり。自分でもイヤになるくらい後ろ向きなんです。もっと前向きにと思うのですがなかなか変えられません。(高校三年生、男性。茨城県)

まずは友達の長所見つけて

  あなたは、「もっと前向きになりたい」と言っているのですから、決して後ろ向きな人ではないと思います。

 失敗したり、相手を傷つけてしまったと後悔することは、誰にもあるのではないでしょうか。

 ただ、自分をダメな人間だと思ってしまい、好きになれないのは、自分に自信が持てないからだと思います。自信が持てるようになれば、おのずと前向きになり、失敗も自分が成長するための糧と考えられるようになると思います。

 「自信がわいてきた」という言葉があります。自信というものは、自然にわき出てくるものではなく、根拠があるものだと思います。例えば、努力して何かを得たり、周りから認められたり、評価されたりしたときにあてはまることですね。

 あなたには、あなたのいいところがあると思います。あなた自身や周りの人が、気付いていないだけなのかもしれません。そうだとするなら、とてももったいないことです。

 あなたが、自分のいいところを見つけられるように、まずは周りの友だちのいいところを見つけるようにしてみてはどうでしょうか。相手もうれしいでしょうし、いずれ自分のいいところに気付くことになると思います。そして、相手もあなたのいいところに気付いてくれるようになるでしょう。


 第41代日本ウエルター級チャンピオン 小林秀一さん 東京工業大学卒。家業の豆腐屋を継ぎながらボクシングでプロデビュー。99年新人王。03年第41代日本ウエルター級チャンピオン。


もどる
日本共産党ホーム「しんぶん赤旗」ご利用にあたって
(c)日本共産党中央委員会
151-8586 東京都渋谷区千駄ヶ谷4-26-7 TEL 03-3403-6111  FAX 03-5474-8358 Mail info@jcp.or.jp