2005年5月28日(土)「しんぶん赤旗」
NPT会議 NGOが批判
米が実質討議を妨げた
「核廃絶求めつづける」
【ニューヨーク=山崎伸治】核兵器廃絶を求める非政府組織(NGO)の代表五人が二十六日午前、国連本部で記者会見し、核不拡散条約(NPT)二〇〇五年再検討会議が実質的討議をできなかった原因が米国にあると批判しました。NGO代表は、会議の結果にかかわらず、核兵器廃絶を国際的な運動で実現していくと強調しました。
婦人国際平和自由連盟事務局長のスージー・スナイダーさんは「明らかなことは、一部の政府、中でも米国が会議の成功を望んでいなかったことだ」と批判し、「問題は五年前、十年前(の再検討会議で)実質的な合意がなされたことを認識していないことだ」と指摘。「会議の結果がなくても、核軍縮・不拡散のためにとるべき手段はある。市民社会が前進させる」と強調しました。
「核廃絶二〇〇〇」のアリス・スレーターさんも「一九九五年の再検討・延長会議で包括的核実験禁止条約(CTBT)の発効、中東非核地帯の創設が具体的に約束された。ブッシュ政権はCTBT批准を上院に提案せず、約束に反している」と語りました。
フランス平和運動のソフィー・レフィーズさんは「会議を意図的に失敗させようという一部の国の思惑を目の当たりにした」と指摘しました。
非核独立太平洋運動事務局長のヒルダ・リニさんは「会議の結果が、市民社会の組織や運動の力を奪うものであってはならない。数十年にわたってやってきた核兵器反対の運動を続ける。会議のあとも、核兵器保有国に廃絶を求め続けよう」と呼び掛けました。
反核国際法律家協会のアラン・ウェアさんは「各国政府には核兵器による破滅の脅威をなくすため、道義的、政治的責任だけでなく、法的責任がある。ことに第六条の核軍縮について、NPT加盟国はその責任を果たしていない」と核保有国の努力を促しました。