2005年5月27日(金)「しんぶん赤旗」

NPT会議

実質合意なく終了へ

米、「核廃絶約束」に抵抗


 【ニューヨーク=山崎伸治】国連本部で開かれている核不拡散条約(NPT)再検討会議は二十五日、三つの主要委員会のうち会期を残していた第一委員会(核軍縮)と第三委員会(原子力の平和利用)が開かれましたが、実質的内容を盛り込んだ報告書を採択できませんでした。最終日の二十七日に採択が予定されている最終文書は、実質的討議の結果を何ら盛り込まないものになることが確実となりました。

 第一委員会では、「自国の核戦力の完全廃絶を達成するとの核兵器国による明確な約束」を含む前回再検討会議の合意を再確認する草案が作成されていました。しかし米国は、この合意への言及に激しく抵抗しました。

 第一委員会は、委員会と補助機関の報告案について全会一致の採択ができないまま、本会議に報告を送付。第三委員会は委員会と補助機関の報告案の採択も、本会議への報告の送付も一致が得られませんでした。二十四日に会期を終了した第二委員会(核不拡散)は、本会議への報告を送付していません。

 この結果を受けて、起草委員会が同日午後、開かれました。しかし同委員会に示された報告案は、今回の再検討会議の開催日程や諸機構などを列挙するにとどまっています。

 最終文書の採択について再検討会議のドゥアルテ議長は二十五日午後、記者団に「最後まで希望は失わない」と述べました。欧州のある大使は、議長が「閉会宣言」という形で会議の実質的な内容について述べる可能性を指摘。ただしそのためには会議のコンセンサスが必要であり、それが得られない場合は、議長が個人の資格で発言することになるとの見方を示しました。


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