2005年5月21日(土)「しんぶん赤旗」

てんかん患者の頭部保護帽

大阪

施設入所者に公費支給

「朗報」と家族


 大阪府泉大津市の守安弘さん(64)が、難治性のてんかん患者である長女の瞳さん(24)の頭部保護帽に健康保険の適用を求めていた訴訟でこのほど、知的障害者援護施設に対する国庫負担(補助)金からの支給が決まり、二十日、訴えの取り下げ書が提出されました。

 瞳さんは施設に入所し軽度の知的障害をもっています。公費支給は認められていませんでした。守安さんらは「てんかん患者と家族・関係者に大きな朗報」としています。

 てんかん患者の頭部保護帽に公費が支給されるのは在宅で最重度ないし重度の知的障害をもつ人のみとされていました。弘さんは、頭部保護帽は瞳さんの治療上欠かせないとして堺西社会保険事務所に健康保険での支給を申請。しかし同事務所長は「治療そのもののためではない」として不支給決定しました。弘さんは決定の取り消しを求めて提訴。昨年十二月二十一日、大阪地裁は瞳さんの治療上の必要性を認め、決定の取り消しを命じましたが同事務所長は判決を不服として控訴しました。

 今回、一審判決をうけて社会保険庁が厚生労働省に対応を照会したところ同省は、児童福祉法による収容施設への補助金の運用に関する文書(一九八二年五月二十五日付)で入所児童の眼鏡について措置費の医療費から支給できるとしていることを示し、「頭部保護帽も同様の取り扱いが可能」と回答。守安さんらが十日に泉大津市役所に申請したところ十一日に支給(現物支給)が決定されました。


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