2005年5月20日(金)「しんぶん赤旗」

党派超え“大石さん守れ”

正当な後援会活動で逮捕

公選法弾圧事件から2年

大分・豊後高田市


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事件を報告する大石さん(中央)=4月24日、裁判勝利をめざす全国交流集会

 後援会員に後援会ニュースを配布しただけで「公職選挙法違反」として日本共産党の大分県豊後高田市議の大石忠昭さんが不当逮捕されてから二年。これまでに大分地裁で開かれた公判は二十回を数えます。「選挙の自由をひろげ大石さんを守る会」は、大石さんの無罪を求める署名を呼びかけています。(芦川章子)

 大石さんがニュースを配布したのは二〇〇三年四月。いっせい地方選挙の告示前でした。高田署は大石さんを尾行し、ニュースの配布を確認。すぐに同署の半数にあたる十四人の警察官を投入し、夜十時まで聞き込みをしました。

 「大石さんを害することはない」「注意するだけ」といい、住民からニュースを押収。書類に判をつかせました。県警の応援を得た捜査態勢をしき、投票日後の五月三日、トップ当選を果たした大石さんを逮捕しました。逮捕後、警察は「罪を認めないのはうそつきだ」「早く罪を認め議員を辞め、市民に謝罪せよ」と人権侵害の取り調べを行いました。

元議長も証言

 「彼の行為は正当な議員の後援会活動である。選挙では落選しないので、選挙違反に仕立て上げて議席を奪うための起訴です」というのは、河野善一郎・弁護団長です。「国中がきな臭くなるなか、国民の日常的な言論活動を封じ込める。一方で選挙になったら共産党の足を止めておこうという権力の狙いがある」といいます。

 「市民の利益を第一に」をモットーに、街おこしや乳幼児医療費無料化など福祉や教育を充実させてきた大石さん。初当選から三十四年間、地域新聞「みんなの高田」を発行。市政の実態を市民へ明らかにし、腐敗を一掃してきました。「自民党の牙城」といわれる保守の街で、九期連続の当選でした。

 事件の異常さに、住民も声をあげています。

 これまでに、牧師や元校長など、支持者であることを公にしなかったような人たちが公判で次々と証言。「大石さんのビラが迷惑だなんてとんでもない。迷惑なのは警察のしつこい調査だ」「大石さんは他党議員のような汚い選挙はやらない。議員の見本だ」

 元市議会議長(現自民党総務委員)は「みんなの高田」を評価し、「議会のことがよく分かる。大石さんがいなくなったらみんなが困る」と証言しました。

違憲性を問う

 たたかいは、公選法の違憲性、違法性におよびます。

 河野弁護団長は「起訴は、憲法と国際人権規約に反している」といいます。これまで、戸別訪問や文書配布を禁止した公選法は「違憲」であるとする十件の無罪判決が出されています。

 三月には、青山学院大学法学部助教授のシン・ヘボンさんが「公共の福祉を理由とする言論表現の自由の制限は、人権規約の解釈では通用しない」と証言。六月には、国際人権委員会の元委員のエリザベス・エバットさんが来日し証言する予定です。

 大石さんはいいます。

 「私を逮捕、起訴した警察や検察の不当性が裁かれる裁判にしなくてはいけない。同時に、憲法や国際人権規約に違反している日本の公選法そのものを裁き、だれもが自由にできる選挙へ変えるため、何としても勝利したい」

 「選挙の自由をひろげ大石さんを守る会」は097(558)4060


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