2005年5月18日(水)「しんぶん赤旗」

危険な地下壕777カ所

赤嶺議員に政府答弁書 安全対策わずか45カ所


 戦時中につくられた地下壕(ごう)が全国で五千三カ所あり、うち危険な地下壕が七百七十七カ所、安全対策が施されているのは四十五カ所(5・8%)にとどまっていることが十七日、分かりました。日本共産党の赤嶺政賢衆院議員が提出した「旧日本軍の防空壕の再調査と安全対策に関する質問主意書」に対して政府が答弁書で明らかにしたものです。

 今年四月に鹿児島市で、中学二年の男子生徒四人が地下壕内でのたき火による一酸化炭素中毒で死亡。この事故を契機に、全国に危険な地下壕がどのくらいあるのか大きな問題になっていました。

 政府は二〇〇一年度の調査で五千三カ所あると把握。陥没、落盤などの危険性のある地下壕七百七十七カ所のうち、二〇〇二年度から〇四年度までに埋め戻しなどの対策を四十五カ所実施しました。

 しかし、鹿児島市で今回事故が発生した地下壕については、把握もしていませんでした。このため、政府は改めて全国の地下壕の再調査を行うとしています。

事故防止急げ

 赤嶺議員の話 二〇〇〇年に鹿児島県鹿屋市で、防空壕の上を走る県道が陥没し、車が落下する死亡事故が起きるなど、繰り返し危険性が指摘されてきたにもかかわらず、対策が実施されたのは四十五カ所しかない。対策が遅れると、鹿児島での子どもたちのような事故が再発するのではないかと心配しています。早急に実態を掌握し、安全対策を講じることが必要です。

都道府県別の特殊地下壕数

 特殊地下壕数危険、
その可能性
対策実
施個所
北海道9251
青 森2330
岩 手410
宮 城2741
秋 田1450
山 形18110
福 島820
茨 城3060
栃 木2000
群 馬16111
埼 玉1131
千 葉195540
東 京48122
神奈川592602
新 潟210
富 山800
石 川1810
福 井1100
山 梨1830
長 野320
岐 阜2430
静 岡203611
愛 知9720
三 重22110
滋 賀000
京 都2240
大 阪1140
兵 庫49230
奈 良1100
和歌山1410
鳥 取300
島 根900
岡 山1010
広 島172267
山 口31121
徳 島100
香 川1050
愛 媛1100
高 知35120
福 岡1630
佐 賀72230
長 崎533950
熊 本12260
大 分107160
宮 崎3120
鹿児島1,99124127
沖 縄238421
合 計5,00377745

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