2005年5月17日(火)「しんぶん赤旗」

ウズベク

死者1000―2000人か

他都市でも大規模犠牲者


 【モスクワ=田川実】十三日に軍による武装集団、市民への無差別発砲があったウズベキスタン東部アンディジャンでは、同市の人権団体「訴え」のザイナビジノフ代表が十六日、同市から約三十キロ北東のパフタバードでも政府に抗議する市民ら約二百人が軍に殺されたと述べました。十四日の事件として外国の報道機関に語ったものです。

 ロシア紙コメルサント十六日付は、死者は千人から二千人に達するとの住民の話を伝えており、各地の騒乱と軍発砲の被害は九一年のソ連崩壊以後、旧ソ連・中央アジア諸国で最悪となりそうです。

 アンディジャンでは十六日も治安部隊が厳戒態勢を敷く中、事件での死者の埋葬が始まりました。ロシア・テレビの報道では、行政府の建物からの煙が止まらず、散発的な銃声も聞こえます。キルギスとの国境地帯では避難のためウズベキスタンから越境する人が続いており、帰還を拒否する人もいます。

 首都タシケントでは、人権団体のメンバーら約二十人が、一九六六年の地震被害者の碑「勇気」の前に集まり、アンディジャンの犠牲者らを追悼しました。

 一方、アルマトフ内相は十六日、アンディジャンで十三日に起きた騒乱事件を組織したとして七十人以上を逮捕したと発表しました。武装集団の襲撃で刑務所を脱出した囚人も二百人以上が戻ってきたといいます。

 同相は、「人々は犯罪者らが配った武器を自発的に手放し、捜査機関に必要な情報を提供している」と治安回復に自信を見せました。最高検察庁は暴動、殺人などの容疑で捜査を開始しました。

 同市では、この間、武装集団の襲撃、市民の反政府集会だけでなく、警察や税務署の焼き打ち、事業所などの略奪もありました。


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