2005年5月11日(水)「しんぶん赤旗」

ナチスの蛮行を謝罪

独大使が国連特別会合で


 【ニューヨーク=山崎伸治】第二次世界大戦終結六十周年を記念する国連総会の特別会合が九日午前、国連本部で開かれ、同会合を提案したロシアなど十九カ国の代表が演説しました。同会合は、昨年十一月に全会一致で採択された国連総会決議が、第二次世界大戦終結六十周年にあたり五月八、九日を「記憶と和解の日」に定めたことを受けて開かれました。

 ドイツのプロイガー国連大使は「われわれはあらゆる道義上の責任を負っており、ドイツの名において、ドイツ人が他の諸国民に押し付けた苦難への許しを請う」とのべ、改めてナチス・ドイツによる蛮行への謝罪を表明しました。

 さらに「欧州連合(EU)がかつての敵国同士を団結させ、加盟国に政治的、経済的、社会的安定と繁栄をもたらした。ロシア・旧ソ連諸国との和解は、かつての戦争で払った犠牲を思えば、とくに意義がある」とのべました。

 ポーランドのロートフェルド外相は自分の両親と全家族がナチスに殺され、「数百万人のポーランド国民が同じ経験をした」と発言。同国はナチス・ドイツとスターリンのソ連の双方から侵略を受けており、その根拠とされた独ソ不可侵条約について「法と正義に反し、そもそも無効であったことを確認したい」とのべました。

 同時に「ポーランド国民はあらゆる国、ことに最大の隣国であるドイツとロシアと最大限の和解をうるよう努めたい」と表明しました。

 EUを代表して演説したルクセンブルクのオシェイト国連大使は「(大戦終結)六十周年を記念することは、国連創設の基礎となる価値観を新たに呼び起こす機会となる」とのべ、「いまほど国連憲章に記された原則が平和と安全、発展を確保し、基本的人権を保証する基盤となっているときはない」と強調しました。


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