2005年5月11日(水)「しんぶん赤旗」

歴史の償い 行動で

中国・韓国が日本を批判

国連総会特別会合


 【ニューヨーク=山崎伸治】九日開かれた第二次世界大戦終結六十周年を記念する国連総会の特別会合で、アジアからは中国、韓国、日本の三カ国が演説しました。過去の歴史認識をめぐって、名指しこそしなかったものの、中国、韓国が日本批判を展開。日本は小泉首相のアジア・アフリカ首脳会議での演説を繰り返しました。

 中国の王光亜国連大使は、「戦後六十年たっても、ナチズムと軍国主義の亡霊は消え去らず、極右勢力の信奉者がいまもしきりに過去の犯罪をわい曲し、否定しようとしている」と指摘。「過去から学んだ教訓が将来を導く。歴史をかがみとして、恥ずべきことも知り、それを前向きに変えねばならない。この特別会合では犠牲者を追悼するだけでなく、歴史を記憶し、それに向き合い、教訓を学ぶことが重要だ。そのようにしてこそ、次の世代は戦争の災難から逃れられる」と述べました。

 韓国の金三勲国連大使は「第二次大戦中に大きな被害をこうむった国の市民として、平和を乱した者が真摯(しんし)で誠実な償いをする必要があることを強調したい」と表明。「真の償いには、単なる言葉の謝罪だけでは不十分だ。真摯な謝罪は行動に移されねばならない。歴史をわい曲しようとすることは、和解という目的を後退させる。過去の過ちについて言い逃れ、残虐行為を犯した者を称賛することは、真の和解を阻害する」と指摘しました。

 これに対し日本の大島賢三国連大使は、植民地支配と侵略という「歴史の事実を謙虚に受けとめ、痛切なる反省と心からのおわびの気持ちを常に心に刻みつつ、経済大国になっても軍事大国にはならず、いかなる問題も、武力によらず平和的に解決するとの立場を堅持していく」とした一九九五年の村山談話を繰り返したアジア・アフリカ首脳会議での小泉演説を紹介しました。


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