2005年5月7日(土)「しんぶん赤旗」
05都議選 駆ける(6月24日告示)
大田区(定数8)
かち佳代子(56)現 中村みのる(59)新
大田区では定数8に対して、11人が立候補を予定(日本共産党2、自民3、公明2、民主2、ネット1、無所属1)。日本共産党は、かち佳代子都議と、丸茂勇夫都議の議席を引き継ぐ新人の中村みのるさんの2人の当選を目指します。
都立病院存続へ力合わせ
かち佳代子(56)現
![]() 荏原病院で住民と「医療を守らなければ」と語り合う欷かち佳代子都議 |
十六の都立病院を半減させようという石原都政。これにたいし、大田区では都立荏原病院の公社化に反対する署名が広がっています。かち佳代子都議はいまの都議会でただ一人の看護師出身。「住民の命と健康は切り捨ててはいけないもの」と同病院を都立のままで存続するため、住民と力を合わせています。
荏原病院は、地域に一つだけの大きな病院として、住民の医療を支えてきました。同区内には二十四時間対応のできる小児救急のある病院は荏原病院を含めて二つしかありません。SARS(新型肺炎)などの感染に対応できる病院は、都内には荏原病院と墨東病院しかないのです。
採算重視の公社化では救急、感染、小児、精神、脳血管障害などの不採算医療は維持できません。住民の不安は切実です。
かちさんはいいます。「都立病院には、大学病院や私立病院とは違った公的な役割があります。住民のための都立病院を切り捨てるのではなく、ムダな大型開発こそ、やめるべきです」
かちさんは二月の都議会厚生委員会で、「医療と介護を考える大田区民の会」が提出した二万九千人の請願にこたえ、荏原病院公社化を再検討するよう求めました。
ところが、同委員会で自民党都議は都立荏原病院の存続を求める署名活動に対し「怒りがわいた」と発言。公明党都議は「住民の不安をあおるビラがあった」と住民の運動を敵視しました。二人とも大田区選出の都議です。
傍聴した同区東雪谷の本間紗智子さん(65)は語ります。「住民の思いがこもった請願なのに、自民党と公明党の都議がここまで言うとは驚いた。地域の医療を守るためにも都議選では、かちさんに当選してもらわないと…」
| 略歴 都議会厚生委員、保健医療公社評議員。前都議会都市環境委員会副委員長。都議2期。区議2期。長野県出身 |
「痛み」がわかる都政に
中村みのる(59)新
![]() 町工場で中小企業対策について語る中村みのる都議候補 |
「年寄りは 死ねとばかりに 税がくる」
中村みのる候補に届けられたお年寄りからの川柳です。「年金の減額、介護保険の値上げ、シルバーパスの有料化…、あの戦争を生きぬき、やっと老後を迎えた方々に、国でも都でも政治はなんと冷たい仕打ちをするのでしょうか」
大田区の町工場でも、中村さんに業者から痛切な声が寄せられます。「もうからないね。みんなやめていくよ」「材料が値上がりしても、発注の単価は変わらない。なんとかならないか」
二十五年前、大田の「ものづくり」に初めて政治の光をあてたのが日本共産党です。「大田区には高い技術を持つ中小企業が集積している。それにふさわしい支援を」と提言したのです。その提言づくりの中心にいたのが、中村さんです。中村さんは、住民とともに、粘りづよく行政に働きかけ、一九九六年には中小企業に直接補助金がでる「工業集積地域活性化支援事業」を都政で実現しました。
しかし、都は十年連続で中小企業対策予算を削減。「工業集積地域活性化事業」も二〇〇四年度末で打ち切られました。「雇用の七割は中小企業が担っています。都政が中小企業を支援して、若者が夢をもって働ける職場を」と、中村さん。
これに対し、日本共産党以外のすべての会派は、石原都政のくらしと中小企業切り捨ての予算案に賛成しています。
中村さんは言います。「三月都議会では、自民、民主、公明のすさまじいヤジと怒号のなか、共産党の代表は『これ以上、都民に痛みを押し付けることはやめるべきだ』と訴えぬきました。くらしの痛みがわかる議員を増やさなければ」
| 略歴 衆院議員山口富男大田事務所長。区議3期、前党大田区議団幹事長、不況打開大田区実行委員会幹事。東京都出身 |



