2005年5月4日(水)「しんぶん赤旗」

焼けた制服、壊れた時計…

被団協 国連本部で原爆展


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核不拡散条約(NPT)再検討会議に合わせてニューヨークの国連 本部内で始まった日本被団協の原爆展=2日(山崎伸治撮影)

 【ニューヨーク=山崎伸治】二日に開会した核不拡散条約(NPT)二〇〇五年再検討会議に合わせて、ニューヨークの国連本部で日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)主催の原爆展「ノーモア・ヒロシマ、ナガサキ」が始まりました。こうした展示が国連本部で行われるのは初めてのことです。

 展示会場は、一般の観光客も入ることのできる一階のロビーと各国代表部や非政府組織(NGO)の関係者でにぎわう地下の喫茶室のそばの二カ所です。

 広島、長崎への原爆投下の状況や原子爆弾の脅威、被爆者の生涯・証言、核兵器廃絶を求める運動などを写真とイラストを交え、英語で紹介した大型パネルが、地下には二十一枚、ロビーには九枚掲示。ロビーには広島市から借り受けた、焼けた制服や壊れた時計、溶けたステンドグラスなどの展示物も置かれています。被爆者による証言コーナーも設けられています。

 国連本部で原爆展を開くことは、二〇〇一年から取り組まれてきましたが、展示内容や方法などをめぐる国連側との折衝が繰り返され、実現まで時間がかかりました。日本被団協の田中熙巳事務局長は「準備する側としては大変だったが、多くのみなさんがみてくれているので、ほっとしている」と安心した様子でした。

 再検討会議にNGOのメンバーとして来たというビルボ・テイラーさん(36)とナタリー・ウォズリーさん(26)は「とてもよい。もっと大規模な展示にして、被爆者がいまもその被害とたたかっているということをもっと多くの人たちにみてもらいたい」と感想を語っていました。


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