2005年5月4日(水)「しんぶん赤旗」
神奈川・座間 「米軍司令部移転認めない」
市長・議会・市民が一丸
過半数の署名へ全力
![]() 第1軍団司令部移転反対の署名を呼びかけ、市民と対話 する星野勝司座間市長(右)=4月29日、神奈川県座間市 |
神奈川県の米陸軍・キャンプ座間(座間市、相模原市)に、地球規模で部隊を展開し、イラク戦争にも出動してきた米陸軍・第一軍団の司令部を、アメリカ本土のワシントン州から移転する日米両政府の動きが激しくなっています。これに対し、地元の座間市では、星野勝司市長を先頭に「基地の強化、恒久化につながる司令部の移転は認められない」と、十三万市民の過半数をめざす署名活動が取り組まれています。市と市議会、市民が一体となった反対運動に、市民から熱い共感、激励が寄せられています。(岡田政彦、洞口昇幸)
国に司令部移転反対を求める署名活動は、市と市議会、市自治会連絡協議会が、昨年十一月に立ち上げた「キャンプ座間米陸軍第一軍団司令部等移転に伴う基地強化に反対する座間市連絡協議会」(会長・星野市長)が呼びかけ、四月十八日からスタートしました。
緑豊かな市内のかにが沢公園で「第二十四回座間市緑化祭り」が開かれた四月二十九日、会場入り口には、星野市長をはじめ市の四役、市議会の曽根寿太郎議長と全会派の市議二十数人が勢ぞろいし、訪れた市民に署名を訴えました。
「ありがたい」
「ご苦労さま」「がんばってください」。星野市長らに、市民から励ましの声がかかります。
「自治会から署名用紙が来たので、もう署名しましたよ」と話す人も、数多くいました。
座間市は、米海軍・厚木基地(大和市、綾瀬市)に近く、米空母艦載機が、激しい騒音とともに頭上を横切る中での署名活動となりました。
市内緑ケ丘に住む滝沢恵子さん(55)は「司令部は移転しないでほしい。治安が心配です」「署名は自治会から回ってきたので、家族全員で署名しました。市ぐるみの運動を応援したい」と期待します。
坪井いそえさん(80)=緑ケ丘=も「基地や飛行機の騒音に悩まされて三十年。司令部が来たら米兵の犯罪などが心配です。問題が起きてからでは遅い。市の取り組みは本当にありがたい」と心を寄せます。
星野市長は「安全保障や国防についてはいろいろな考えがありますが、これ以上の基地の強化、恒久化は認められない」とのべ、「かなりの方のご協力をいただけると信じています」と署名への確信を語っていました。
市議会の曽根議長も「超党派で市民と一緒に運動しています。市民の関心は、かなり深くなってきています」と手ごたえを実感します。
市自治会連絡協議会の近藤昭夫会長(61)は「各自治会で基本的に組長、班長さんが一軒ずつ訪問し、署名用紙をお渡しして、回収しています。自治会に入っていない方にも声をかけています。かなりご理解をいただいています」と話し、「市と市議会、自治会連絡協議会の三者一体で取り組んでいることに意味があります」と強調します。
署名は、各駅頭などでも取り組まれ、日本共産党市議団(中沢邦雄団長)も参加し、力を合わせています。
相模原市でも
一方、隣の相模原市(人口六十二万人)でも、市と市議会、自治会連合会、経済団体など三十七団体・機関でつくる「相模原市米軍基地返還促進等市民協議会」(会長・小川勇夫市長)が、六月から、署名運動を二十万人を目標に開始することを決定しました。
日本共産党は、志位和夫委員長・衆院議員が四月十八日に小川、星野両市長と懇談し、市ぐるみの運動を激励。党として基地の強化・固定化に反対する一点で幅広い共同を進めるために力を尽くす決意を表明しました。
七日には、党県委員会などが主催して座間市内で、沖縄県の伊波洋一宜野湾市長、前明治学院大学教授の浅井基文さん、志位委員長をパネリストにシンポジウムを開きます。


