2005年5月4日(水)「しんぶん赤旗」
核保有国に廃絶行動迫る
新アジェンダ連合非同盟諸国 NPT会議が開幕
【ニューヨーク=山崎伸治】核不拡散条約(NPT)第七回再検討会議が二日午前、ニューヨークの国連本部で始まりました。開会の演説で国際原子力機関(IAEA)のエルバラダイ事務局長は「二〇〇〇年、核兵器保有国は核兵器の全面廃絶を達成する『明確な約束』に合意した。その決意を具体的な行動で示していくことが重要だ」と指摘しました。
アナン国連事務総長は、北朝鮮のNPT脱退表明を批判し、国家や非国家への核拡散に懸念を表明する一方、「(核兵器が)決して使われない唯一の保障は、この世界が核兵器のないものになることだ」とあいさつしました。
午後から条約加盟各国代表の一般討論を開始。日本の町村外相のほか米国のラドメイカー国務次官補(軍備管理担当)、核廃絶をめざす国家連合である新アジェンダ連合代表のニュージーランドのホッブス軍縮軍備管理相、非同盟諸国代表のマレーシアのサイドハミド外相らが演説しました。
新アジェンダ連合や非同盟諸国は、五年前の前回会議が合意した核廃絶の「明確な約束」の実施を迫りました。これに対し米国は、この合意に言及せず、北朝鮮やイランへの核拡散の防止を中心問題に押し出しました。
会議はブラジルのドゥアルテ国連大使を議長に選出。第三回準備委員会(昨年四、五月)に提案された暫定議案に関し、いまだに合意が得られていないことが報告され、議題のないまま会議が始まることになりました。
ニューヨーク滞在中の日本原水協代表団のほか、各国の非政府組織(NGO)関係者が多数、会議を傍聴しました。
会議は五年ごとに開かれ、その間の条約の義務の実施状況を再検討するもの。二十七日までの予定で最終文書の採択を目指します。