2005年5月1日(日)「しんぶん赤旗」

欧州非核地帯の創設提唱

ベルギー上院が決議

米核兵器撤去など求める


 【パリ=浅田信幸】5月2日からニューヨークで開かれる核不拡散条約(NPT)再検討会議に向け、ベルギー上院本会議は、欧州に配備された米軍の戦術核兵器の段階的撤去や北大西洋条約機構(NATO)の核戦略見直し、欧州非核地帯の創設を提唱する決議を採択しました。採決は21日におこなわれ、賛成57、反対0、棄権6で可決。決議全文がこのほど上院のウェブサイトに掲載されました。


 決議は一カ月前、上院外交防衛委員会が採択した文章に二カ所修正を加えただけで、ほぼそのまま。二〇〇〇年の前回再検討会議で採択された、核保有国による「核兵器廃絶の明確な約束」を含む十三の措置をすべて引用し、「NPTおよび二〇〇〇年の再検討会議での合意の履行が不十分だったことは明白である」と暗に核保有国を批判しました。

 そのうえで核保有国に軍縮の努力を求めたNPT第六条や核兵器の使用・威嚇を原則的に国際法違反とした国際司法裁判所の勧告的意見などをあげて、ベルギー政府に核軍縮に向けた九項目の行動を要求しています。

 この中で「今年の再検討会議で、より厳格な軍縮の日程を定め、今後五年間の具体的な合意をつくる」「NATOの中で核軍縮に役立つ措置がとられるよう留意する」ことを求めました。

 また、核戦略の見直しや「NPT第六条を尊重して米国の戦術核兵器を欧州から段階的に撤去する」こと、さらに「すべての非核保有国を含む非核地帯の創設」をベルギー政府がNATO内で働きかけるよう提言しました。

 ベルギーはNATO加盟国ですが、仏、独とともに対イラク戦争に反対し、NATOがイラク戦争を支援することをこの両国とともに拒否しました。


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