2005年5月1日(日)「しんぶん赤旗」
南ベトナム解放30周年
軍事色抑え平和前面に
ホーチミン市で記念集会
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【ホーチミン市=鈴木勝比古】南ベトナム解放三十周年記念行事の最後を飾るホーチミン市の記念集会が市内の独立宮殿前の公園で三十日午前に開催されました。乾期特有のうだるような暑さの中、メーデー祝賀を兼ねた集会に五万人の市民が参加しました。
解放勇敢に
ノン・ドク・マイン・ベトナム共産党書記長、チャン・ドク・ルオン国家主席をはじめとする主だったベトナムの指導者が顔をそろえました。レー・カー・フィエウ前書記長、ボー・バン・キエト前首相も参加。九十四歳になるボー・グエン・ザップ元国防相が姿を見せるとひときわ大きな拍手が起こりました。
ルオン国家主席があいさつし、ホーチミン市が今日のベトナム経済発展の推進力となっていることをたたえ、「ベトナムのみならず、東南アジア諸国連合(ASEAN)の経済・産業の中心になるべきだ」と述べました。ベトナム共産党ホーチミン市委員会のグエン・ミン・チエット委員長が記念演説を行い、ホーチミン市の市民が解放闘争を勇敢にたたかったことを強調し、今日のホーチミン市の発展を紹介しました。
平和の祭典
集会後のパレードでは、人民軍兵士、民兵隊の行進に続き、医療、教育、金融機関、サービス部門などが行進。カートを繰り出したスーパーマーケットの隊列も。赤青二色の中央に星の南ベトナム解放民族戦線の旗を持った青年たちもいます。軍事色はわずかで、色あざやかな出し物、ブラスバンドや歌、踊りが披露される平和の祭典となりました。
黒い民兵服にお下げ姿の民兵隊の隊列に参加したキム・ゴックさん(20)はホーチミン共産青年同盟員。「解放闘争については直接は知りませんが、歴史で学びました。試験にも出題されます」と語りました。
前日の二十九日夜には花火が打ち上げられ、数十万の市民が街頭に繰り出して、観賞しました。
武力で押し付けは失敗
ベトナム労働総連盟機関紙 ザップ将軍語る
【ホーチミン市=鈴木勝比古】かつてベトナム国防相として南ベトナム解放戦争を指導したボー・グエン・ザップ大将はベトナム労働総連盟機関紙ラオドン(労働の意)二十八日付掲載のインタビューで、「ベトナム人民の勝利が示した真実」として「いかなる国であれ、どれほど強国であっても、自分の意思を他民族に武力で押し付けようとすれば、最後には必ず失敗する」と述べました。
ザップ大将は、「諸民族の闘争で歴史で初めて、弱小民族が立ち上がってみずからを解放し、主として自分の力に依拠して連続的に二つの帝国主義強国を打ち破った」とベトナム人民の勝利をたたえました。
今後の復興・建設の課題について、ザップ大将は、あらゆる経済セクターの役割を発揮し全人民が経済活動を強めるべきだと述べ、党と社会の民主主義を拡大し、全人民の創意性を発揮する必要があると述べました。


