2005年4月30日(土)「しんぶん赤旗」

60年ぶり国共首脳会談

軍事衝突 回避で一致

中国


 【北京=菊池敏也】一九四五年の重慶会談から六十年ぶりとなる中国共産党と台湾の国民党の首脳会談が二十九日午後、北京の人民大会堂で開かれました。国民党は現在、台湾の最大野党ですが、会談した国民党の連戦主席と共産党の胡錦濤総書記は、中台間の敵対状態の終結と平和合意を促進するため、軍事面で相互信頼機構を構築して軍事衝突を回避することなど五項目の合意を盛り込んだ新聞向けコミュニケを発表しました。

 両党のトップ会談は、一九四五年の蒋介石、毛沢東両氏(いずれも故人)以来。胡総書記は、この会談について「歴史的一歩を踏み出した」と評価。「中華民族の根本的利益と両岸同胞の幸福を重視」すれば、未来をともに切り開くことができると強調。中台関係を「平和、安定、発展の方向」に前進させたいと述べました。

 さらに、「九二年合意」を受け入れる政党や指導者を歓迎すると表明。連主席も、双方が「一つの中国」の立場を述べあった「九二年合意の立場に変わりはなく、これを基礎に未来を構築したい」と確認しました。

 連戦主席は、「再び歴史を変えることはできないが、未来はわれわれの手中に握られている」と強調。新しい党関係の枠組みをつくる必要性を訴えました。

国共トップ会談コミュニケ骨子

 一、中断している中台対話の早期再開を促進し、良好な関係を発展させる。

 一、敵対状態終結を促進し、軍事面の相互信頼メカニズムの構築、軍事衝突回避を含めた両岸関係の平和的で安定した発展の枠組みを築く。

 一、三通(中台間の通航、通信、通商)実現など経済交流を強化する。関係回復促進後は両岸の共同市場問題を優先的に討議する。

 一、台湾の世界保健機関(WHO)参加の問題など台湾民衆が関心を持つ国際的活動への関与をめぐる協議を促進し、双方が努力し最終的解決を探る。

 一、両党間のさまざまなクラスの人員の相互訪問を含む定期交流の基礎をつくり、中台関係改善に関する討議を進める。


中国共産党と中国国民党の動き

1919年 孫文が中国国民党設立

  21年 毛沢東らが中国共産党結成

  24年 第1次国共合作

  27年 国共合作崩壊

  37年 第2次国共合作

  45年 日本降伏、毛沢東と国民党・蒋介石による重慶交渉

  46年 国共内戦

  49年 中華人民共和国建国、内戦に敗れた国民党が台湾逃亡

  71年 中国が台湾に替わり国連復帰

2000年 台湾総統選で国民党敗北、陳水扁総統、連戦国民党主席に

  02年 胡錦濤共産党総書記就任

  04年 総統選で陳総統再選、立法院選挙は野党優位保つ

  05年 連戦国民党主席訪中


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