2005年4月30日(土)「しんぶん赤旗」

中南米・南太平洋・東南アジア・アフリカ

非核4地帯が初の共同宣言

“核兵器ない世界を”


 【メキシコ市=松島良尚】非核地帯条約に加盟している諸国を中心に九十以上の国・組織が参加し、メキシコ市で開かれていた非核地帯国際会議は最終日の二十八日、四つの非核地帯の今後の協力のあり方についての討論を経て、核兵器廃絶の重要性を強調した宣言を採択しました。

保有国の義務強調

 非核兵器地帯条約は、南極条約を別にして中南米、南太平洋、東南アジア、アフリカの各地域に四つあります。南半球はほぼ完全に非核地帯です。それら四つの地域の諸国が初めて一堂に会したのが今回の会議。五月二日から始まる第七回核不拡散条約(NPT)再検討会議に向けて非核国の共同の立場を確認する重要な機会になりました。会議の討論では「核兵器のない世界の実現」という言葉が何度も発せられました。

 宣言は三十一項目からなります。第一項では「核兵器は人類の生存に対する脅威であり、その使用は地球上の生命にとって破局をもたらす。優先目標である核軍縮にすすみ、核兵器の全面的な廃絶を達成する必要がある」と述べています。宣言はまた、二〇〇〇年のNPT再検討会議で合意された核軍縮が進展していないことを懸念し、核兵器保有国にNPT第六条の核軍縮義務の履行を迫っています。

 さらに、米国を名指ししていないものの、「新型核兵器の開発の意図やその使用の合理化など、いっそう広範な役割を核兵器に付与する新戦略安全保障ドクトリン」に懸念を表明しています。

 討論を経て、宣言にイスラエルがNPTに加盟する重要性が明記されました。また南アジアの非核地帯確立への支援とインド、パキスタンへのNPT加盟の呼びかけなども新たに加えられました。

 四つの非核地帯条約間の協力に関し、「力をあわせ、共通の立場をさまざまな国際的な場で生かそう」(ラオス代表)などの発言がありました。協力強化の組織づくりについて、話し合いを続けることになりました。


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