2005年4月29日(金)「しんぶん赤旗」

非核地帯NGO会議開く

長崎市長・被団協代表が訴え


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非核地帯国際会議と並行して開かれたNGO会議=27日、メキシコ市(松島良尚撮影)

 【メキシコ市=松島良尚】メキシコ市で二十七日、非核地帯国際会議と並行して非政府組織(NGO)の会議が開かれ、日本原水爆被害者団体協議会の小西悟事務局次長、伊藤一長・長崎市長が発言しました。小西氏は、核兵器廃絶の運動に役立ててほしいと、「原爆と人間展」のパネルをメキシコ外務省に寄贈。NGO会議で展示されました。


 両氏の発言(要旨)は次の通りです。

核兵器とは共存できない

小西事務局次長の発言

 私たち被爆者は、地上の地獄をさまよいました。きのこ雲の下で起こったことはどのような想像も表現も超えたものです。死者たちは人間の尊厳を奪われる死を強いられました。生存者も、精神的、肉体的に深い傷を負って人生を過ごしました。核兵器は悪魔の道具です。人間と共存できません。二〇〇〇年の核不拡散条約(NPT)再検討会議での「核兵器廃絶の明確な約束」にもかかわらず、核兵器による脅威は、かつてなく大きくなっています。

 ブッシュ米政権の「核態勢見直し報告」(NPR)以来、核兵器の使用は差し迫ったものになりました。被爆者は、人類絶滅の危険を肌身に感じています。

 米政府に要求します。原爆投下が国際法に違反し、人道に対する犯罪であることを認め、犠牲者たちに謝罪してください。その証しとして、いわゆる使用しやすい小型核兵器などの開発計画をやめ、廃絶への一歩を踏み出してください。

 世界の指導者たちに呼びかけます。広島のきのこ雲の下で何が起こったのかを学び、人類の生存のための英知に基づいて行動を起こしてください。「明確な約束」の実現のためのステップを踏み出してください。いますぐに。

核兵器は大量殺りく兵器

伊藤市長の発言

 第一に強調したいのは、国際司法裁判所で一九九六年、核兵器の違法性を問う審議が初めて行われたことです。私も出廷して被爆者の苦しみ、孤独、核兵器が大量殺りく兵器であることなどを陳述しました。結果は、「核兵器の使用と威嚇は国際法に違反する」という同裁判所の勧告になりました。

 第二は、二〇〇〇年のNPT再検討会議で「核兵器廃絶の明確な約束」など十三項目の合意が形成された重要性です。

 第三は、広島に投下されたウラニウム型原爆、長崎のプルトニウム型原爆、この二つの異なる原爆が投下されたという事実です。あれから六十年、核兵器は実戦には使われていません。

 しかし、核実験再開や新型の小型核兵器開発など到底許せない動きもあります。核兵器廃絶は、二十一世紀に生きる人類が早急に解決しなければならない課題です。来るべきNPT再検討会議が実り多い会議となるよう力を合わせましょう。


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