2005年4月29日(金)「しんぶん赤旗」

非核地帯会議で各国発言

核廃絶約束は義務

保有国に履行迫る


 【メキシコ市=松島良尚】メキシコ市で開かれている非核地帯国際会議二日目の二十七日、「真の核不拡散体制のための非核地帯の貢献」をテーマとして各国、機関の代表約四十人が発言しました。非核国としての道義的優位性にたって、核不拡散条約(NPT)の核軍縮義務(第六条)と前回NPT再検討会議(二〇〇〇年)で確認された核兵器廃絶の「明確な約束」の履行を核保有国に迫るべきだとの発言が相次ぎました。


 メキシコのデアルバ国連軍縮大使は、「NPTの義務を果たしてきた非核地帯諸国は、核兵器保有国に核軍縮義務の履行を求める道義的、法的権威を有する。核軍縮は選択肢ではなく義務だ。この会議の結論に依拠して、来週のNPT再検討会議で義務を果たせと呼びかけよう」と述べました。

 ベトナム代表は、「政治的な意思が必要なら、問題は核兵器保有国にある。NPT第六条を実施させよう」と強調。タンザニアや南アフリカなどの代表も、「核保有国にはどんな正当性も道義もない」「核保有国の核廃絶に向けた前進が欠如している」と指摘しました。

 サモアやフィジーなどの代表は、核物質を積載する日本などの船舶の通行に対し、「いったん事故が起きると基幹産業である漁業、観光などが壊滅する」と懸念を表明しました。

 オブザーバー参加している日本政府代表は、他の代表が共通して強調している前回NPT再検討会議の核廃絶の「明確な約束」や、核兵器保有国の軍縮義務違反には触れませんでした。中東や中央アジアに非核地帯を設置する重要性をあげたものの、モロッコなどの代表が重視するイスラエルの核兵器保有問題には言及しませんでした。


カット

 核不拡散条約第6条 条約締約国とりわけ核保有国の核軍縮義務を定めた条項。「核不拡散条約」第六条は、「各締約国は、核軍備競争の早期の停止及び核軍備の縮小に関する効果的な措置につき、並びに厳重かつ効果的な国際管理の下における全面的かつ完全な軍備縮小に関する条約について、誠実に交渉を行うことを約束する」と述べています。


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