2005年4月24日(日)「しんぶん赤旗」

東京都議選 告示まで2カ月

福祉削る自・公・民・ネット

対決する日本共産党


 東京都民の暮らしとともに、国政の行方にも大きな影響を及ぼす七月三日投票の東京都議選は告示(六月二十四日)まで二カ月に迫りました。各党とも候補者擁立をほぼ終え、すでに本番さながらのたたかいが繰り広げられています。

 定数百二十七に対し、出馬を表明したのはこれまで、日本共産党三十八人(現有十五)、自民党五十七人(同五十一)、公明党二十三人(同二十一)、民主党四十九人(同二十)、生活者ネット十人(同六)です。

 とくに、民主党が十一選挙区で複数候補を擁立するなど、候補者を大幅に増やしたため、自民、公明、民主の三党の候補者で定数以上となる選挙区が三十四にのぼり各選挙区とも大激戦の様相となっています。

 東京ではいま、「何がぜいたくかといえば、まず福祉」「場合によっては命がけで憲法を破る」という石原慎太郎知事とともに、自民、公明、民主、生活者ネットなどの「オール与党」が悪政の推進役になっています。

 臨海副都心開発へのさらなる税金投入などムダづかいの大型開発をすすめながら、この四年間で福祉関係費を一割、中小企業対策費を三割も削減してきた、全国でも例のない「逆立ち」政治が横行しています。「日の丸・君が代」の子どもと教師への強制も続けられています。

 自民党、民主党によるラスベガスやモンテカルロなどへの豪華な「海外視察」などの問題も各党の政治姿勢を問う重大問題として浮上しています。

 都議選では、都民に冷たい都政をすすめるこれらの「オール与党」か、これと対決して都民生活と福祉、民主主義を守る日本共産党か――この選択が問われています。

都議選で各党は

自民 石原与党鮮明に
民主 「二大政党」前面
共産 「逆立ち政治」正す

写真
文京区の演説会で志位和夫委員長の話しに聞き入る人たち=23日、東京・文京区

 「厳しいね。小泉人気はまだあるが、四年前とは全然違う。国民には政治に対する不信感が強まっている」と、自民党関係者はいいます。

 自民党は前回、就任直後だった小泉純一郎首相の“人気”を追い風に五十三議席を得ました。ところが、今度は「石原与党」を前面に押しだし、石原慎太郎都知事の“人気”にすがる戦術です。

 街中に張り出した候補者ポスターは大半が石原知事との連名。比留間敏夫都議会幹事長は「知事が、都議選でわが党の候補者の応援に駆けつけてくれれば鬼に金棒」(「自由民主」)と期待を隠しません。

 しかし、小泉政権の七兆円負担増と、石原知事と一体ですすめた福祉・都民施策の切り捨てが都民生活を直撃するなか、「この時期に実質的な増税策をとることは決して得策ではありません」と、小泉政権の負担増路線への批判をホームページに掲載する都議も現れるなど、弁明にまわる姿もみられます。

 公明党は、「二大政党の嵐のなかで、かつて経験したことのない逆風の選挙」と危機感をあおり、「全員一丸で都議選完勝を」と全員当選をめざし、必死の構えです。党幹部が続々と現地入りし、各地で集会を重ねるなど、組織戦を展開しています。

 民主党は、「会派としてほとんどの案件に賛成しているわけだから、反石原的でないことは端からみても明らかだ」(柿沢未途・都議会民主党政調副会長、「都政新報」)というように、都政では石原与党です。

 都政問題では自民党と“対決色”を打ち出せないとあって、「政権交代に向けた首都決戦」と位置づけ、議席倍増、都議会第一党をめざすとしています。「今度こそ政権をとる。その一歩の都議選は重要」(中野区)、「都議選は国政に直結する二大政党の対決」(練馬区)など、都政そっちのけで「二大政党の対決」を演出しています。

 しかし、「国政と都政では全然違う。都議選は地元への密着がものをいう。落下傘候補を増やしても、国政ほど票は出ない」(民主党元都議)と、大量擁立に懸念の声ももれてきます。

 生活者ネットは、選挙区によっては民主党の推薦も受けています。

 日本共産党は、現有十五議席を絶対確保し、さらに前進することをめざしています。各地で演説会を開き、自民、公明、民主、生活者ネットの「オール与党」が石原都政と一体で福祉を切り捨てる一方、むだな大型開発には巨額をつぎ込む「逆立ち」政治をすすめてきたことを告発。乳幼児医療費助成を小学校入学前までに拡大するなど都政を動かし、「福祉といえば、やはり共産党」(都議会代表によるテレビ討論会で司会者)といわれるほど。党支部と後援会は、都民要求実現のために奮闘している日本共産党の値打ちを語り、支持を広げています。

 また、国政でも、自民、民主、公明の各党が憲法改悪や消費税増税を競い合うなど、「オール与党」化がすすんでいることを明らかにし、「悪政推進の『二大政党』づくりに厳しい審判をくだそう」とよびかけています。


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