2005年4月21日(木)「しんぶん赤旗」

世界平和7人委員会がアピール 

核兵器廃絶 保有国首脳に求める

「約束」をほごにしないで


 五月にアメリカ・ニューヨークで開かれる核不拡散条約(NPT)の再検討会議を控え、世界平和アピール七人委員会は二十日、都内で記者会見しました。「核兵器廃絶の約束」を死文化する動きに深い危ぐを抱く同委員会は、核保有五カ国首脳に核兵器廃絶への成果を生む「核軍縮への具体的努力を求める」アピールと、原爆被害実態の直視を日本政府と国民に訴えるアピールを発表しました。

 七人委員会は、日本初のノーベル賞受賞者、湯川秀樹博士らが参加して一九五五年に結成。現在の委員は、伏見康治(元日本学術会議会長)、武者小路公秀(大阪経済法科大アジア太平洋研究センター所長)、土山秀夫(元長崎大学学長)、大石芳野(フォトジャーナリスト)、井上ひさし(日本ペンクラブ会長)、池田香代子(ドイツ文学翻訳家)、小柴昌俊(ノーベル物理学賞受賞者)の七氏。記者会見には四氏と同委事務局長の小沼通二・慶応義塾大学名誉教授が出席しました。

 「核不拡散を叫びながら一方で核開発をしようとする核保有国がある。被爆国日本が批判すべきだ」と指摘したのは土山氏。核廃絶の世論を広げるため「関心を持った人が何かしようと輪をつくり集まれば一つの流れになっていく」と語りました。

 伏見氏は「人類の運命を左右する問題に関心を持って、それぞれのやり方で核兵器廃絶に向かってとりくんでほしい」と訴えました。

 「核を実際に持っている国をどうたしなめ、人道的な道に進めるかは本当に難しい」と語った小柴氏。「われわれにできることは、理性に訴えて人道的な道に進んでくださいと訴えること」と話しました。

 池田氏は核の実態を多くの人に知らせるため、「とにかく行動していただきたい」と呼びかけました。


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