2005年4月13日(水)「しんぶん赤旗」

厚生年金病院 あぶない

参院委 小林議員が存続迫る

広がる地域医療守れの声


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リハビリ治療する保養ホームを利用するお年寄り。向こう側の建物は、湯布院厚生年金病 院に隣接する保養ホーム=大分県湯布院町

 全国に十カ所ある厚生年金病院の存続が危ぶまれています。政府が公的年金や医療保険で整備した病院などの公的施設を譲渡、売却する法案を出しているからです。

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 日本共産党の小林みえこ参院議員は十二日の厚生労働委員会で、この問題を取り上げ、「地域医療のなかでの役割と世論にこたえ国としての責任をはたすべきだ」と存続を求めました。

 厚生年金病院は地域医療の中心としてなくてはならない存在です。とくにリハビリテーション医療では揺るぎない地位を確立しています。そのもとで公的医療機関守れの世論が各地で広がっています。

 昨年十二月、全国十カ所の厚生年金病院の院長が連名で「要望」を出し、リハビリ医療の発展のためのネットワークの重要性を強調しました。

 大分県の湯布院町では町長、町議会、観光協会、農協などをあげての運動に発展。存続を求める署名は人口一万二千人を大きく上回る三万四千人にのぼりました。大阪厚生年金病院内ではわずか二十日間で二万二千人の署名が寄せられました。

 小林議員は、大阪の厚生年金病院の院長に託された一人の患者の手紙を紹介しました。「非常に高い医療レベルを維持しておられる大阪厚生年金病院が厚生年金事業の見直しで売却されるとか。グリーンピアなどのような施設とは違い病院のように公共性の高い施設では、赤字、黒字にかかわらず簡単に売却されるなどとんでもないことです」

 尾辻秀久厚労相は、厚生年金病院が地域で重要な役割を果たしていることは認め、「支障が生じることがないように対応する」としましたが、整理統合は「例外なく」進めるとの考えを示しました。


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