2005年4月10日(日)「しんぶん赤旗」
預貯金過誤払いで110番
相談の9割 盗難被害
偽造・盗難キャッシュカードを使った預金の不正引き出し被害対策にあたっている預貯金過誤払い被害対策弁護団(団長=高見澤昭治弁護士)は九日、被害者から電話相談を受ける「預貯金過誤払い110番」を都内で開催しました。
偽造による被害補償は一定前進しています。しかし、全国銀行協会は、盗難による被害については原則補償に慎重な姿勢をくずしていません。
弁護士十人と、被害者団体「ひまわり草の会」の被害者らが相談にあたりました。
午前十時の開始とともに電話が鳴りだし、五十人以上が深刻な相談を寄せました。相談の約九割がキャッシュカードなどの盗難による不正引き出し被害によるもの。最高で三つの銀行から一千万円引き出されたという人もいました。
都内に住む男性被害者は、車を五分ほど離れたすきにキャッシュカードをかばんごと盗まれました。すぐに警察署に届け、警察官と銀行にいきましたが、すでに三百八十万円が引き出された後でした。暗証番号は家族の生年月日を使っていたといい、「なぜ番号が分かったのか分からない」と話しているといいます。
弁護団は、相談の内容をふまえ、来月をめどに相談者への全体説明会を開催します。
被害対策弁護団の廣瀬健一郎弁護士は「偽造でも盗難でも、犯罪者にとっては手口の違いでしかない。基本的に被害者の落ち度とはいえず、銀行には預金者保護の義務がある。金融機関が預金者保護に責任をもつよう新たな法の整備が必要で、過去の被害についてもその方向に沿って補償していくべき」だと話しています。

