2005年4月10日(日)「しんぶん赤旗」
米軍から自衛隊へ
物品・役務197件提供
イラク 海外派兵で初適用
イラクに派兵されている自衛隊が二〇〇三年十二月から〇四年十二月までの期間、ACSA(日米物品役務相互提供協定)にもとづいて、米軍から食料や水など百九十七件の提供を受けていたことが、防衛庁が国会に提出した資料で明らかになりました。自衛隊の海外派兵での適用は初めてです。
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提供を受けたのは陸上自衛隊、航空自衛隊の各派兵部隊。イラクやクウェート、ペルシャ湾沿岸国で水、食料、燃料、部品などの物品や基地支援、宿泊、輸送などのサービス(役務)を受けています。(表)
一方、自衛隊から米軍への提供では、空自がクウェートで、米空軍に部品を計三件、提供しています。
日米の軍事一体化が、米軍の戦争の最前線・イラクでも進行していることを示すものです。
政府は〇四年二月にイラク派兵にも適用できる改定ACSAに署名、同年七月二十九日に発効しました。同日までの期間、協定上の「空白」が生じていたことになりますが、防衛庁は、「(ACSA適用条件の一つである)『人道的な国際救援活動』が該当しうる」としています。しかし、そのような説明が成り立つなら、ACSAの改定自体、不必要となります。
一時立ち寄りで米部隊の支援も
改定ACSAは、イラク派兵ばかりでなくあらゆるケースで適用できるようにしました。これに伴って〇四年八月以降、自衛隊基地に一時立ち寄った米軍部隊への支援も加わり、防衛庁の資料によると、陸自六件、海自百二十八件、空自十九件となっています。小笠原諸島の硫黄島基地(東京都)が最多で、百十七件、燃料六十八万八千六百三十二キロリットルの提供となっています。同島でのNLP(夜間離着陸訓練)に伴うものとみられます。
共同訓練では〇四年で自衛隊から米軍が八十五件、米軍から自衛隊が五十九件となっています。
ACSA(アクサ) 一九九六年に日米間で結ばれた物品役務相互提供協定の略称。締結当初は、(1)共同訓練(2)PKO(国連平和維持活動)、人道的な国際救援活動――の場合に限定されていましたが、九九年の改悪で「周辺事態」まで拡大。二〇〇四年には、「武力攻撃予測事態」「武力攻撃事態」に加え、イラク派兵などあらゆるケースで無限定に米軍と相互支援する内容に改悪されました。 在日米軍司令部はこの改悪について、「ACSAを世界規模に適用可能にするもの」として絶賛しています。 |

