2005年4月7日(木)「しんぶん赤旗」

オルブライト米元国務長官ら

米の核軍縮義務を指摘


 【ワシントン=浜谷浩司】核不拡散条約(NPT)再検討会議まで一カ月を切ったもとで、オルブライト元国務長官やペリー元国防長官ら米国の政治家や元外交官らが五日、米国はNPT体制を維持するため核軍縮義務を履行すべきだなどとした声明を発表しました。

 ブッシュ米政権が新型核兵器の開発に踏み出すなど核軍縮義務をあからさまに無視するなかで、声明は、世界の多数の国々に「核保有国は核軍縮の約束を追求する意思を持っていない」との認識が広がっていることを指摘しました。

 核兵器廃絶の「明確な約束」を盛り込んだ二〇〇〇年の前回再検討会議の結果を念頭に、会議の成否は、NPT体制を強化する「具体的な追加的措置」に合意できるかで決まるとし、国際社会は「それを求めている」と強調しています。

 声明は、(1)核関連技術への管理強化(2)国際原子力機関(IAEA)の査察強化とそのための追加議定書の合意(3)イランと北朝鮮の核問題の解決に向けた外交努力の強化と北東アジアや中東などでの地域安全保障(4)核兵器の削減、核実験や核分裂性物質生産の恒久禁止、新型核兵器の開発放棄、非核保有国への核攻撃の放棄など、核保有国の軍縮義務の遂行促進(5)核兵器材料の安全確保と廃棄(6)NPTからの脱退禁止―を求めています。

 声明に名を連ねたグレイ元軍縮大使は記者会見で、再検討会議の議題が今なお固まっていないことにふれ、「会議までに議題が決まらないことはカオス(混乱)を意味する」と警告しました。

 声明には、NPT体制が危機に直面し、核兵器の拡散が一気に進みかねない事態を前に、民主党を中心とした米国の軍備管理派の強い懸念が示されています。

 会見に出席したスプラット下院議員は、核保有国の米国が積極的に軍縮を進めるとともに新型核兵器開発を中止するよう求める決議案を下院に提出する考えを明らかにしました。


もどる
日本共産党ホーム「しんぶん赤旗」ご利用にあたって
(c)日本共産党中央委員会
151-8586 東京都渋谷区千駄ヶ谷4-26-7 TEL 03-3403-6111  FAX 03-5474-8358 Mail info@jcp.or.jp