2005年4月6日(水)「しんぶん赤旗」

大企業は消費税を負担してないの?


 〈問い〉 大企業は消費税を払っていないと同じだというのは本当ですか?(長野・一読者)

 〈答え〉 大企業でも物やサービスを買えば、当然消費税を払います。しかし、その時は消費税を払ったとしても、最終的には消費税は大企業自身の負担にはなりません。

 たとえば、原材料や機械に50億円、輸送費、光熱通信費、事務費などに10億円を支払って、製造した商品を100億円で販売する企業を考えましょう。これらの経費を支払う際には、60億円の5%として3億円の消費税を払うことになります。一方、商品を販売する際には、お客から100億円の5%の5億円の消費税を受け取ります。消費税は、販売した商品やサービスに上乗せされた消費税と、仕入れの際に払った消費税との差額を税務署に納税する仕組みですから、5億円マイナス3億円で、2億円を税務署に納税することになります。

 このように、大企業は仕入れの際には消費税を払いますし、税務署に消費税を納税してもいますが、それには販売の際にお客から受け取った消費税が充てられています。つまり、最終的に消費税を負担するのは消費者であって、この企業自身は負担していないのです。大企業は、「形式的には消費税を払う」が「実質的には負担はしていない」ということです。

 中小零細事業者の場合には、大企業との価格競争の中で、販売価格に消費税を上乗せできない場合があります。下請け業者の場合には、納入先の大企業から「消費税分をまけろ」と納入価格の引き下げを迫られ、消費税を受け取れない場合もあります。こうした中小零細業者の場合には、身銭を切って消費税を負担する場合もありますが、大企業は基本的にはこういうことはありませんから、消費税は負担しません。

 日本経団連など財界・大企業が消費税増税を主張するのは負担を転嫁できる税であるということが理由の一つです。(垣)

 〔2005・4・6(水)〕


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