2005年4月6日(水)「しんぶん赤旗」
国連事務次長が発言
ボリビア紙報道
「新自由主義は失敗」
【メキシコ市=松島良尚】国連事務局に設置されている経済社会局の責任者、ホセ・アントニオ・オカンポ事務次長は訪問先のボリビアで、市場万能の立場から、公営企業の民営化などをすすめる新自由主義を批判。「市場はすべてのことができるという新自由主義の夢は失敗した」とのべ、「混合経済」の方向にゆくべきだと強調しました。同国のラプレンサ紙四日付が報じました。
ボリビアの政治経済情勢について意見を求められたオカンポ事務次長は、中南米全体の状況にもふれ、新自由主義と同様、国家がすべてを解決できるという考えも失敗したと指摘。「混合経済は二十世紀最良の遺産」とのべました。
そして、混合経済を形成する処方せんはないものの、「二十年前のように新自由主義を自慢する国家は、今日では一つもない」「今日ではむしろ、すべての政府が、右寄り、左寄りなどさまざまな立場から、国家(主導経済)と市場(経済)の平均とは何かを探求している」と分析。その一例として、ボリビア下院が最近可決した炭化水素法案を評価する姿勢を示しました。天然ガスの開発・輸出事業をおこなう多国籍企業により重い負担を課す法案です。
オカンポ事務次長は、国連中南米カリブ経済委員会の事務局長やコロンビアの元蔵相などを歴任。二〇〇三年九月から現職に就いています。

