2005年4月5日(火)「しんぶん赤旗」

息子の過労自殺認めて

遺族がスズキに謝罪要求

静岡地裁口頭弁論


 “課長職の息子が過労自殺したのは業務を苦にしたものであり謝罪せよ”と両親が、軽自動車大手のスズキを相手に総額九千百万円の損害賠償を求めた裁判の第一回口頭弁論が四日、静岡地裁浜松支部(千川原則雄裁判長)で開かれました。市民ら七十人が傍聴と支援に駆けつけました。

 小松充一・やゑ子夫妻の長男である故・小松弘人さん=当時(41)=はスズキに入社後、シート設計一筋に約十七年間、勤務していましたが、二〇〇二年一月、まったく経験のない四輪車体設計に異動となり、課長代理に就任。その後、ストレスによるうつ病を発症する中、課長代理就任から七十四日目、本社ビルから勤務中に飛び降りました。自殺一カ月前の時間外労働は百四十四時間に達していました。

 裁判でスズキ側は「(自殺と)業務との因果関係はない」「会社に安全配慮義務違反はない」とする答弁書を提出。

 父の充一氏は、意見陳述で浜松労基署が昨年、弘人さんの死を「新しい仕事の課長としての責任と長時間労働で三月頃うつ病を発症し、コストダウンのつもりがコストアップになったその引責等で心理的負荷が原因だ」として業務上と認定したことを指摘。「社員のいのちを塵(ちり)のようにしか扱わないスズキに対して、その健康管理に問題があり、責任があったことを明らかにして謝罪させたい」と涙をこらえながら訴えました。


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